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Re: 始まりは復讐から‐殺人鬼になった少年‐ ( No.9 )
日時: 2011/07/25 17:39
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: FkTwM/pM)

★逢夢☆sありがとうございます。

第二章書かせていただきます。



第二章

「ふわぁ〜」

「あ、お兄ちゃん。おはよ〜」

土曜日の朝、8時に雄人は起きた。奈那が、ソファーに座ってテレビを見ている。ソファーを占領されたので、まずは朝食をとることにした。今日は、コンビニの菓子パンに焦げた目玉焼き。

「ゴメンねぇ〜焦がしちゃったぁ〜」

紗樹が、申し訳なさそうな声でいう。でも、全然あやまっているようには聞こえない。イスに座って、菓子パンをとると、袋を開けた。いいにおいがプーンと漂う。パンだけ食べると、焦げた目玉焼きは食べずに自分の部屋へ向かった。

「目玉焼き食べないの〜」

そんな声が聞こえる。でも、答えなかった。ドアを大きな音で開けて、大きな音で閉めると、ドアの前に座って、二人の話し声を聞く。

「もったいない。あ、奈那ちゃん、今日は買い物行くから、留守番よろしくね〜」

「はーい、そういえば、お父さんは一週間くらい帰らないんでしょ?」

「そうよ、統司さんはぁ、北海道に出張してるのよ」

(買い物か……奈那を殺すには絶好のチャンス。これを逃すわけにはいかないな。)

雄人は、待ってましたというように、不吉な笑みを見せた。


「じゃ、いってきまぁ—す」

「いってらっしゃ—い」

紗樹が出かけたみたいだ。引き出しからナイフを取り上げると、ドアを勢いよくあけた。

「お、お兄ちゃん?」

奈那がびっくりして声を上ずらせる。かまわず、ナイフを奈那に向けて、刺そうとする。それを奈那はかわす。

「やめて、ささないで、殺さないで……ッ、キャァァ」

何かにつまずいて転げそうになり、悲鳴を上げた。なんとか体勢を整えようとしたが、結局立て直せなくて、さされた。血が噴き出す。返り血が、雄人の服に、腕に、足に、顔に付く。奈那は床に倒れ、血が飛び散っていた。

「あは、あはははははははは、なんて楽しいんだ、こんなに楽しいこと、なんで今まで知らなかったんだ?」

この復讐から、雄人は殺人鬼に変わってゆく。

「次はだれを殺そうか……」