ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 2話。 ( No.6 )
- 日時: 2011/07/26 12:26
- 名前: 左倉. ◆BbBCzwKYiA (ID: mtlvkoR2)
- 参照: http://「あまいものがすきよ、」
……なんだこれ。ていうかなんだあれ。
俺の中にチョコレートというものに対して最悪のトラウマを植え付けられたその原因であり、先日かなりの甘党であることが発覚した俺の……多分、友人。そいつが真夜中のコンビニで両手の中一杯に飴だのクッキーだのスナック菓子だのを抱えてレジに並んでいる所を見れば、誰だってそう思いたくなる、と勝手に信じてみる。
しかも、いつも学校で見るようなぼんやりとした間抜け面ではなく、見てる方がむかついてくる位のニコニコ笑顔で。動画ではない。
急に腹が減って夜食を買いにきた近所のコンビニで、まさか友人のこんな姿を見るなんて思ってもみなかった俺はきっととんでもなく変な顔をしているんだと思う。……これは、どう反応するのが一番適切なんだろうか。
1、何事もないかのような体でいつものように話しかける。……駄目だ、色々な意味で俺が持たない。
2、このまま回れた右にして何もなかった事にして家に帰る。……いやだから腹減ってんだって。
と、なれば答えは3の「スルーして気にせず用事を済ませる」これだ、うん。これしかない。
「……おい、雨宮」
ってなんで話しかけてんだ俺のばか!あほ!というか何でそっちに動いた俺の体!
そんな心の叫びも虚しく、先程と変わらずにっこにこした若干むかつく顔のままこちらを向いた雨宮にふと疑問を投げかけてみる。
「……それ、一人で食べんの?」
「うん」
当たり前、とでも言うかのように間髪入れず返された答えに死ぬ程脱力しそうになったのはとりあえず置いておこう。
……え、まじで?
あまりにも予想外の答えに軽く思考停止かしかけた俺を一瞬不思議そうな顔で見ながらもすぐにまた笑顔に戻ったこいつの抱えている菓子の量は、正味の話尋常じゃない。コンビニってこんな沢山菓子あったのかといっそ感心すらしそうなほどの大量だ。もう一度言う。……、まじで?
「おれね、ほんっとに大好きなんだよ。甘いもの!」
全く変わらない笑顔でそう言った友人に軽く目眩すら覚えながら、脳内で先程の自分の言葉を撤回する。
……「かなり」なんて生易しいもんじゃない。こいつは、「病的な」甘党だと。
とりあえず落ち着くために小さく息を吐いてから……あの友人に軽く挨拶をして、そこらへんにあった冷やし中華を適当に買ってコンビニを出た、んだと思う。何せ俺は息を吐いた後、気が付いたら冷やし中華の入ったビニール袋を持って帰り道にいたのだ。……挨拶は、ちゃんとしたのだと思いたい。
ところで、家に帰るまでの道で見掛けた同じ高校の制服を着たあの女子は、塾にでも行っていたのだろうか。
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オチがない……
あと2、3話くらいこのノリが続いてからちゃんとシリアスになる、といいな。