ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Part.1 「嫉妬」 ( No.3 )
- 日時: 2011/07/27 02:33
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪麻衣視点≫
私には大切な親友がいる。その子の名前は「宮沢藍華」優しいし可愛いし悪口なんて一つも言わない天使みたいな女の子。
朝、二人で登校しているときに藍華とこんな話をしていた。
「そういえば今日、麻衣のクラスに転入生が来るんだよね?」
私と藍華はクラスが別だ。私は2組で藍華は5組
少し寂しいが、休み時間ごとに会うので不安感などはない。
「どんな子か楽しみだね」
私は笑顔でそう言った。すると藍華は
「…もしもその子と仲良くなっても、私とはずっと一緒に居てくれるよね?」
不安そうな顔でそう問いかけられたので、私は即答で
「当たり前じゃん!」と答えた。
するとどんどんと藍華の顔が明るくなり、そのまま笑顔になった。
私はこの笑顔が大好きだ。何一つ汚れのないこの笑みが。
他愛もない話をしているうちに学校についた。
私と藍華は別々に教室に入り、席についた。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.4 )
- 日時: 2011/07/27 02:34
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪藍華視点≫
私には友達が一人しかいない。
だから教室ではいつも一人…。
すごく寂しいが一時間経てば麻衣に会えると思いながら頑張っている。
でも今はすごく不安だ……。
転入生が麻衣とすごく仲が良くなったら、私は一人になってしまう。
そんな事を思っていると先生が教室に入ってきた。
いつものようにクラス全員で先生に挨拶をすると朝学活が始まった。
麻衣のクラスは今、転入生の自己紹介中かな……。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.5 )
- 日時: 2011/07/27 02:35
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
今日は新しい学校に行く日!
友達できるか不安だけど、マイペースに友達を作ろう!!
学校につき、担任の先生に連れられて教室の前まできた。
「呼ばれたら入ってきて、自己紹介を簡単にしてくださいね」
女の先生はニッコリと笑うと先に教室に入っていった。
可愛らしい先生だなぁ…
そんな事を思っていると、少しして先生がうちを呼んだ
「佐藤さん入って〜」
深呼吸をしてからドアを開け、教卓の前に立った。
「初めまして佐藤悠里です!
わからない事だらけだと思うから、色々教えてくれたら嬉しいな!
皆よろしくねっ」
元気いっぱいに挨拶すると周りから
「よろしく〜」や「元気だね!」など声がかかる。
うちは先生に指定された席(真ん中の列の後ろから二番目)に座ると、周りの子に「よろしくね」と言った。
楽しい学校生活になりそうだな〜!
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.6 )
- 日時: 2011/07/27 02:36
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪麻衣視点≫
転入生の佐藤さんは私の前の席に座った。
左右の人たちや私に「よろしくね」と言ってきたので、「よろしく」と返した。
〜休み時間〜
「ねぇねぇ、学校案内してくれないかな?」
「え?私?」
何の前振りもなく、いきなり佐藤さんに話しかけられたので一瞬戸惑った。
それを察したのか佐藤さんは
「あ……ごめん駄目だった?」と控えめに言ってきた。
「え?あぁ 全然平気!行こっか?」
私はニコッと頬笑んだ。
「ねぇ、名前なんて言うの?」
「高木麻衣だよ。麻衣って呼んでね」
「うちの事も悠里でいいよ!!よろしくね!」
「うん よろしく!」
お互いの名前も知ったところで、私たちは教室を出ようとドアに向かった。
すると、ドアの前に藍華がいた。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.7 )
- 日時: 2011/07/27 02:37
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪藍華視点≫
「はぁ……」
やっと一時間目が終わった……
私は次の授業の用意をしてから麻衣の元へ向かった。
「麻衣〜〜!」
私は出来る限り大きな声で麻衣を呼んだ。
しかし麻衣はいっこうに廊下に来ない。
どうしたのか気になり教室を覗いた。すると知らない子と一緒に喋っていた。
「あの子…転入生かな……?」
私はポツリと呟いた。
すると麻衣ともう一人の子が仲良く喋りながらこっちに向かってきた。
「あっ 藍華〜!この子今日転入してきた子だよ!」
「初めまして佐藤悠里です!気軽に悠里って呼んでね!」
「あ…えと……宮沢藍華です。よろしくね」
麻衣以外の人と学校で話すのは久しぶりだったので、ちょっと怖かった…。
「今から悠里に学校内を案内してあげるんだけど、藍華も来る?」
「うん…行きたい」
私は二人に付いていく事にした。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.8 )
- 日時: 2011/07/27 02:37
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪直斗視点≫
今日は朝からクラス中が煩かった。
俺の彼女…つまり麻衣のクラスに可愛い転入生が来るとの事だった。
授業中は静かだったものの、休み時間に入ると色々な所から黄色い声が飛び交う。
麻衣のところにでも行くか……
俺は立ちあがり教室を出た。
「——それでここが3組で〜…」
麻衣の声が聞こえる…
俺は声が聞こえる方に足を進めた。
すると麻衣と藍華と見たことがない女子が廊下を歩いていた。
ずっと見ているとどこか違和感を感じた。
藍華が一言も喋っていない。
二人に取り残されているように見える。
「……今日は何かありそうだな…」
俺は呟くと教室に戻った。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.9 )
- 日時: 2011/07/27 02:38
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪藍華視点≫
……さっきから私はずっと黙っている。
二人の会話に入れない……。
麻衣もそんな私を気付いてくれない…。
「付いてこなければよかった……」
心の中で思っていた事がそのまま声に出してしまった。
しまった……。
私は横目で二人を交互に見た。
しかし気付いていないようだ。
聞かれずに済んだが、それはそれで少し虚しい気もした。
少しすると予鈴が鳴った。
私は麻衣と悠里にまたねと言うと足早に教室に向かった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.10 )
- 日時: 2011/07/27 02:38
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
今日だけで友達が二人になった!
すっごい嬉しい!!
藍華は元気なかったけど人見知りなのかな?
まぁこれから仲良くなればいいか!
〜昼休み〜
「麻〜衣っ!一緒にお弁当食べていい?」
「いいよ〜!じゃ藍華も誘って三人で食べようか!」
「ok!!」
藍華と仲良くなれるチャンスだ!
さっきはあんまり喋れなかったから楽しみ!
うちは麻衣と一緒に藍華の教室に向かった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.11 )
- 日時: 2011/07/27 02:39
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪麻衣視点≫
悠里とはまだ何時間しか一緒じゃないけど、すごく喋りやすかった。
こういう子は大好き!
藍華も悠里と仲良くなれるといいな…。
【ガラッ】
「藍華〜 お弁当食べよ!」
「麻衣………」
…?あきらかに藍華の様子がおかしかった。
体調悪いのかな?
「藍華大丈夫?体調悪かったりする?」
私はすごく心配になり藍華に問い掛けた。
「ううん…大丈夫だよ。それよりお弁当食べようか」
藍華はニッコリ笑うとお弁当を持って私たちに近づいてきた。
「じゃ三人で仲良く屋上行こっか。」
私は笑顔で言った。
「三人……?」
「よっ!藍華さっきぶり!」
私の後ろから悠里が顔を出した。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.12 )
- 日時: 2011/07/27 02:41
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪藍華視点≫
一時間目以降の休み時間はずっと教室にいた。
さっきみたいな事になったらすごく嫌だから……。
お昼休みになり、麻衣が私をお弁当に誘ってくれた。
それはいつもの事だったが、さっきの事もあり、いつもの倍嬉しかった。
さらに私の心配をしてくれて、自然と顔が緩んだ。
お弁当を持って麻衣に近づくと麻衣がこう言った
「じゃ三人で仲良く屋上行こっか。」
………え?…
「三人……?」
三人って… 私と麻衣の二人じゃないの??
私が考え込んでいると、麻衣の後ろから
「よっ!藍華さっきぶり!」
そう言いながら悠里が顔を出した。
三人ってそういう事か…
もしかして、また仲間外れにされちゃうかもしれない……
いろいろ考えて出した結果が
「…ごめん、ちょっと今日は一緒に食べれない…」
「一緒に食べない」だった。
「そう?じゃまた放課後にね」
麻衣は微笑みながらそう言い、悠里と一緒に屋上に向かって行った。
「気にもとめないんだね…」
ポツリと呟き教室に戻った。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.13 )
- 日時: 2011/07/27 02:43
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
「あ〜あ…結局藍華と話せなかったなぁ…」
うちは少し残念そうに言いながらお弁当を食べていた。
「ん〜…藍華は友達が私くらいしかいないから、人を警戒する癖があるのかも…」
うちと同様に麻衣もおかずを口に入れながら言った。
「早く仲良くできるといいな…!」
「悠里は優しいし面白いし一緒に喋ってて楽しいから絶対藍華とも仲良くなれるよ!」
そうかな…?そうだったらいいな!
うちは心の中でそう思った。
〜放課後〜
「麻衣は部活やってる?」
「うん!テニス部!」
テニス部かぁ…楽しそう♪
「じゃ、うちもテニス部入部する!!」
麻衣と同じ部活がよかったのでテニス部に入る事にした。
「あ〜…でも、部員数いっぱいだしなぁ…ん〜……」
麻衣は少し考える素振りをすると、「そうだっ!」と言いながらうちを見て言った。
「マネージャーとかどう!?マネなら藍華しかいないし!」
ニッコリしながらテニス部のマネージャーを進めてきた。
楽しそうだし、藍華とも一緒にいれるし…!
やってみようかな!!
「うん うちマネージャーやる!」
「本当!?じゃ部室行こっか」
麻衣はうちの手を引き、「早く早く」と急かしてきた。
「マネージャーをやる」
たったこれだけの考えが
一番の落とし穴だった事も気付かずに——…
- Re:*Flower* 『bad ending』 ( No.14 )
- 日時: 2011/07/27 02:43
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪藍華視点≫
やっと全部の授業が終わった…
これから部活だし、やっと麻衣と二人になれる!
と思ったのに……
「藍華よろしくね!」
え?
「悠里、テニス部のマネージャーになってくれるんだって!」
何それ……
悠里、貴方はまた私の邪魔をするの?
「藍華?どうかした?」
「へ?あ…あぁ なんでもないよ… よろしくね」
一応悠里に向かって頬笑んだけど心の中は不安や憎しみが渦巻いていた。
「今から部長のところに行って来るから少し待っててね」
私に向かってヒラヒラと手を振ると、悠里と手を繋いで部長のところへ向かって行った。
悠里は私がやっと手にいれたモノを奪っていくんだね。
忌々しい……。
- Re: 登場人物追加 ( No.15 )
- 日時: 2011/07/27 02:44
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
・内田 奈々子(うちだ ななこ)
テニス部部長。中三
・神蔵 唯(かみくら ゆい)
テニス部副部長。奈々子と同じクラス。中三
・杉山 凛(すぎやま りん)
テニス部書記。中三
・武智 佐都志(たけち さとし)
男女共のテニス部顧問(あまり出ないかもです((汗)
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.16 )
- 日時: 2011/07/27 02:45
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪麻衣視点≫
「神蔵先輩!」
「何?」
「あの、あの子マネージャー希望の子なんですけど…」
私とけっこう離れた位置にいた悠里を指指して言った。
するとそれに気付いた悠里は駆け足でこっちに近付いてきた。
「初めまして!今日転入してきた佐藤悠里って言います。
マネージャー希望なんですけど……」
「ちょっと待ってて。奈々子〜!!」
神蔵先輩はコートで打ち合いをしていた部長の内田先輩を呼んだ。
内田先輩は打ち合っていた人に一言「ちょっと待ってて」と言うとこちらに向かってきた。
「何?呼んだ?」
「この子マネージャー希望なんだって」
「へ〜…。まぁ宮沢一人じゃ仕事も大変だと思うし、いいんじゃない?」
内田先輩は藍華の事も考えながらそう言ってくれた。
「じゃ、凛にも伝えておくね。」
神蔵先輩はそう言うと、書記の杉山先輩の元に走っていった。
「佐藤さんよろしくね」
「よろしくお願いします!!」
内田先輩は悠里に向かって手を出し握手を求めると、悠里も手を出しお互いに握手をした。
その後内田先輩はコートに戻っていった。
「じゃ、藍華のところに戻ろっか!」
「そうだね!」
私と悠里は再び藍華の元に戻っていった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.17 )
- 日時: 2011/07/27 02:45
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
部活が始まり、麻衣はコートに行った。
うちは今藍華と二人っきり。
何すればいいんだろ…?
「ねぇ、マネってなにやるの?」
「えっとね…ドリンク作ったり、スコアつけたり、部員のタオルとか洗濯したり部誌書いたりだよ」
「そうなの!?」
てっきり飲み物は水筒だと思っていたうちは心底びっくりした!
タオル洗濯って……マジで?
うちは吹きそうになったのを必死にこらえた
「今日は私が洗濯とスコア付けするから、悠里はドリンク作りと部誌書いてくれる?」
ドリンクの作り方が書かれている紙を渡された。
部員によって作り方(味)を変えているみたいだ。
「うん わかった!」
うちは快く引き受けた。
「じゃ、また後でね」
そう言って藍華は部室を出ていった。
よし…頑張るか!!
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.18 )
- 日時: 2011/07/27 02:46
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪直斗視点≫
授業が終わり部活の時間になった。
俺は男子テニス部に所属している。
テニスが特別好きというわけではないが、麻衣と同じ部活がよかったから。
着替えてからコートに向かう途中、藍華が洗濯物を干しているところを見つけた。
相変わらずテキパキしていて、見ているこっちもスッキリする。
しかしやはり藍華の顔色は暗かった。
〜部活後〜
俺は先輩に頼まれ部誌を書いていた。
少しするとシャーシンがなくなったので、取り換えようとして筆記用具をあさった。
しかしなぜかどこにもない…。忘れたか……。
借りようとしても部員や先輩たちはもう既に帰ってしまっている。
「……女子に借りるか…。」
俺は男子テニス部の部室を出て、女子テニス部の部室に向かった。
【コンコン】【ガチャ】
「失礼します。誰かいますか?」
俺は少し控えめにドアから顔を覗かせた。
するとそこにはいつも部誌を書いている藍華ではなく休み時間麻衣と一緒にいた女がいた。
「なにか用でもあるの?」
「シャーシン持ってる?」
「持ってるよ〜!ちょっと待っててね!」
その女は鞄の内ポケットに入れていたシャーシンを取り出し俺に渡した。
「サンキュ。」
そう言いながら芯を2.3本取り女に返した。
他に用がなかったので部室を出ようとしたら、あろうことか女が俺を呼びとめた。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.19 )
- 日時: 2011/07/27 02:47
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
部活後、一人残り部誌を書いていると部室のドアがノックされた。
「失礼します」と言いながら顔を覗かせた人は名前の知らない男子だった。
用件はいたって簡単で、シャーシンが欲しいとの事だった。
うちは自分の側にあった鞄の内ポケットから出したシャーシンを渡した。
男子はそのまま部屋を出ていこうとしたが、うちは引き留めた。
「ねぇねぇ、キミなんていう名前?」
名前くらいは聞いてもいいだろうと思い、思うがままに聞いた。
「…大宮直斗。」
大宮君は名前だけ言うと部屋のドアを開け、さっさと出ていってしまった。
無愛想だなぁ…(苦笑)
「ふぅ……後少しだから頑張らないと…!」
自分に喝を入れ再び部誌を書き始めた。
終わった頃には19時をすぎていて、早足で家に帰った。
〜自分の部屋〜
明日はテニス部の朝練があるらしい。
しかもマネージャーは朝練に誰よりも先に行かないといけないとか…。
今日は早く寝るか……
そう思いベッドに横たわる。
「おやすみなさい…」
こうして転入初日が終わった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.20 )
- 日時: 2011/07/27 02:48
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪藍華視点≫
あぁ…イライラする……
昨日の夜は部屋で暴れまくってしまった…。
佐藤悠里が憎い……憎い……
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!
なんで私の麻衣を奪っていくの……?
悠里なんて……キライ…
悠里なんて皆に嫌われちゃえばいいのに…
もう自分で壊すしかない…
悠里の居場所を奪ってやる…!!
〜女子部室〜
「あっ 藍華おはよ〜!」
悠里は私よりも先に来ていた。それだけの事なのになぜかムカつく。
「おはよう」
作り笑顔を悠里に向けると着替えを始める。
少しして私も悠里も準備が終わった。
「朝練のときはネット張ってボールを数たり空気入れたりするだけでいいんだよ」
私は早口で悠里に教えると、ボールの入ったかごを持って部室を出た。
その後は特になにもないまま朝練終わった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.21 )
- 日時: 2011/07/27 02:49
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪麻衣視点≫
〜二時間目〜
今日の二時間目の授業は2組と5組の合同体育だそうだ。
つまり私と悠里と藍華の三人が集まるという事。
三人で同じ授業が出来るなんてすごく嬉しい!
ちなみに体育の内容は男女別のバスケらしい。
男子は校庭で、女子は体育館。
私は悠里と藍華の三人で一緒に着替えて体育館に向かった。
〜体育館〜
「悠里、藍華、三人一緒の授業ができるなんて楽しみだね!!」
「そうだねっ!まぁうちはいつも麻衣と一緒だけど(笑)」
悠里がそう言ったとき、藍華の顔色が一気に変わった。
眉間に皺を寄せてる…
って事はもしかして怒ってる?でもなんで?
「…藍華、怒ってる?」
私はストレートに聞いてみた。
すると藍華は
「え?怒ってないよ」
笑顔でそう言った。私はその笑顔にホっとして、それ以上気にしなかった。
藍華が悠里を睨みつけている事も知らずに——…
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.22 )
- 日時: 2011/07/27 02:49
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
そして各チームごとに試合が始まった。
うちはDチーム!麻衣はCチームで藍華はうちと同じDチームだそうだ。
って事は対戦相手は藍華のいるチームか…
楽しみだな〜!
「次っ Cチームの試合を始めるっ!」
体育の先生がそう言うと、Cチームの人が先生の元へ集まる。
おっ 麻衣の出番だ!
「藍華、一緒に見よっ?」
うちは藍華を誘った。藍華はうちを見るとなぜか睨みつけてきた。
しかも目を離さずずっと…
「…ら……藍華…………?」
うちは藍華に近寄り、肩に手を乗せた。
否、乗せようとした。
【パシッ】
藍華はうちの手を叩き、自分の肩に触れさせないようにした。
今までこんな藍華を見たことがなかったのでとても怖かった…。
うちはそれ以上なにも言えなくて、結局一人で麻衣の試合を見る事にした。
藍華…一体どうしたんだろ…
考えているうちに麻衣のチームの試合が終わった。
結果は引き分けだったらしい。
次はうちの出番か…!
勢いよく立ちあがると麻衣の元へ向かった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.23 )
- 日時: 2011/07/27 02:50
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪藍華視点≫
流石にムカついた。
私は麻衣とクラスが別だから、今日のイベント(?)はすごく楽しみだった。
なのにあの女は「うちはいつも麻衣と一緒」などと言いやがった…。
ムカつく……自分が麻衣と同じクラスだからって…
そんな事を思っていると急に声をかけられた。
声をかけてきた相手は悠里だった。
私が悠里を睨んだ瞬間、悠里の体が凍りつくように固まってしまったのがとてつもなく愉快だった。
そのままずっと睨んでいると、悠里は顔を背け麻衣の試合を見る素振りをしていた。
うざ…。
数分後試合が終わり、私は真っ先に麻衣のところに向かった。
しかし麻衣のところにはもう既に悠里がいた。
どこまで邪魔をするんだ……… 本当に消し去ってやりたい…
そう思ったとき、先生の指示が入った。
「次っ Dチームの試合を始めるっ!」
私の出番か……。
モヤモヤしている中試合が始まった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.24 )
- 日時: 2011/07/27 02:52
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪麻衣視点≫
試合が終わった私は舞台上に座っていた。すると悠里が小走りで私に近寄り話しかけてきた。
試合中に失敗してしまった事などを笑い飛ばしながら話していると、藍華がこっちを見ている事に気付いた。
声かけようかな…。
「らn………「次っ Dチームの試合を始める」
しかし声をかけようとした瞬間に先生の指示が入ってしまった。
タイミング悪いなぁ…。
私は悠里に一言「頑張れ!」と言い、試合が見やすい位置に移動して座った。
【ピーッ】
笛の合図と共にジャンプボールが始まる。
ボールは藍華のチームの人が取った。
そのまま何回かパスを回していくうちに、ボールが藍華のところに回ってきた。
取れる…!
誰もがそう思ったが、素早く藍華の前に回り込んだ悠里がボールをキャッチした。
「悠里ナイスキャッチ!」
私が拍手をしながらそう言うと、悠里は私に向けてピースサインをしてきた。
喉が渇いた私は、外の水道に向かって歩き始めた。
その時だ
【バァンッ!!】【ピーーーーーーッ】
笛の音と同時に誰かが倒れる音がした。
恐る恐る後ろを振り向くと、倒れていたのは
悠里だった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.25 )
- 日時: 2011/07/27 02:53
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
【ピーッ】
試合が始まった。
ジャンプボールは相手チーム…つまり藍華のチームが上手く取ってしまった。
うちはダッシュでボールを取り返そうと、相手の持っているボールの位置などを横目で見ながら走った。
一人の子が持っていたボールを藍華にパスしようとしたときに一瞬隙が見えた。
うちはその隙を狙い、藍華の前まできたボールをジャンプしながら取って、他の子にパスした。
麻衣がナイスキャッチと言ってくれたのでうちは麻衣に向かって笑顔でピースした!
藍華がうちに殺意を抱いていた事も知らずに。
お互いのチームがどんどんポイントを決める中、8対4になった。
うちのチームがリードしている。
このまま後1分半持ち続けていれば確実に勝てる!
うちは相手チームが持っていたボールを上手くディフェンスをしながら奪い取り、ゴール向かって全速力で走った。
後少し…!
最後の力を振り絞り、ジャンプしたときに誰かに前から思いっきりぶつかった。
……いや…「前から思いっきり押された」の方が正しい…
うちはそのままバランスを崩し、頭から倒れた。
倒れた衝動で頭を強く打ち、何秒か息できなくなった。
倒れた際、意識がもうろうとしているうちに向かってとてつもない笑みを浮かべた藍華が見えたような気がした。
しかしそのまま意識が途切れた……。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.26 )
- 日時: 2011/07/27 02:54
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪藍華視点≫
さっきからずっとイライラしている……
感情のコントロールが効かない……
…とりあえず今は試合に集中しないと…。
しかしその後は嫌な事ばかりだった。
悠里にボールは取られるし、悠里と麻衣は仲良さげにしてるし……
ギリギリまで感情を抑えていたものの、限界が近づいてきた。
私はジャンプしながらシュートを決めようとしていた悠里の前に立ち、体を思いっきり後ろに押した。
悠里はそのままバランスを崩して倒れた。
悠里の頭からはかなりの量の血が出ていた。
苦痛に耐えている悠里の顔を見た時、全身の鳥肌が立った。
愉快すぎる……!!
自分でも狂ってると思った。
でも悠里のその表情が私にとって一番興奮するものだった。
…………私今……どんな顔してるんだろう…
直ぐ側にあった全身が映しだされる鏡を見ると、悠里の血を浴びながらニヤニヤしているまるで悪魔のような自分の姿が映っていた。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.27 )
- 日時: 2011/07/27 02:54
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪直斗視点≫
全くつまらない……
俺のチームはもう試合が全て終わってしまったので、今は超暇だ。
早く終わらねぇかな、と思いながらボーっとしていると変な声が聞こえた
「きゃーーーーーーー…」
……ん?悲鳴?
体育館からだ…
先生や他のヤツらが体育館に向かって走りだしたので、俺も後を追った。
体育館に着きドアを開けると、一つの場所に女子が集まっていた。
俺は靴を脱いで体育館に入り、女子が集まっている所に向かった。
女子に近づいていくと、赤い液体のようなものが見えた。
………血か?
「!!直斗っ!」
麻衣は俺がいるのを見つけたみたいだ。
「何かあったのか?」
俺は今にも泣き出しそうな麻衣を抱きしめながら優しく問い掛けた。
周りから冷やかしの声が聞こえるがこの際どうでもいい。
「あのね……あれ…」
麻衣は女子の中央を指指した。
そこを見ると、昨日の放課後に部室で話した女が頭から血を出して倒れていた。
それだけでも十分驚くが、血だらけの服を着た藍華が一人体育館の鏡を見ながら狂ったように笑い続けていたのが衝撃的だった。
その後俺と先生たちは直ぐに佐藤(?)を保健室に連れて行った。
- Re: Part.2 「堕ちる」 ( No.28 )
- 日時: 2011/07/27 02:55
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
〜保健室〜
「ん゛……うぅ………」
意識が戻ったとき、うちは保健室のベッドに横になっていた。
「悠里…?悠里気付いた!?先生!悠里がッ!!」
ベッドの横に置いてある椅子に座っていた麻衣は半泣き状態だった。
麻衣の隣に座っていた藍華も心配そうな顔をしていた。
やっぱりさっきの藍華の表情は見間違えか……。
そうだよね…
「佐藤さん大丈夫?念の為に病院に行ってほしいのだけれど…」
保健室の先生はうちをゆっくり起こしながらそう聞いてきた。
「あ…はい……わかりました。」
「今日はマネ業休んだ方がいいよね?」
「頭打っちゃったんだし、マネ業は出来ないと思うよ?」
二人はうちを心配してマネを休む事を進めてくれた。
優しいなぁ……。
「…うん。今日は休んで、また明日の朝から頑張るよ!!」
うちはとびきりの笑顔でそう言った。
「じゃ、私たちは部活行くね?」
「また明日。」
二人はうちに手を振りながら保健室を出ていった。
さて…うちも早く病院行かないと……。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.29 )
- 日時: 2011/07/27 02:56
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪藍華視点≫
〜家〜
スッキリした。
悠里の血を見て。苦痛で歪んだ顔を見て。
さっきまでのイライラはどこかに消え去った。
部活後は麻衣と二人っきりで帰れたしね。
でも本番は明日から。
明日の朝から始める。
悠里には私が悲しんで苦しんだ分……いやその倍悲しんで苦しんでもらわないと。
そうじゃないと私の気が済まない。
私を仲間外れにした罪は重い。
後悔してももう遅い。
全部アイツが悪い。私は何も悪くない。
あぁ…明日から楽しみだな……
私は妖しく笑う。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.30 )
- 日時: 2011/07/27 02:56
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
〜朝〜
朝食は食べる気がせず、オレンジジュースしか飲まなかった。
「………よし!!」
うちは頭の包帯をキツく縛り直し鞄を持つ。
今日は少し気分が悪く、いつもよりも遅く家を出た。
〜学校〜
裏門から登校し、急いで部室に向かった。
すると部室の前に早く来た先輩たちと藍華がいた。
しかし、なぜかなかなか部室に入ろうとしない。
「おはようございます!!」
うちはいつも通り元気に挨拶をした。
……でも…あれ?挨拶が返ってこない…
「あの………」
うちが口を開いたときだった
【パシンッ】
「……………え…」
一瞬なにがなんだからわからなかった。
キレイな音が鳴ったと思うと、左頬がじんじんし始めた。
「佐藤さんが部室荒らしたんだって?」
内田先輩の言っている意味がわからなかった。
「え?うちそんな事してないですよ?」
うちはすかさず否定した。…あ……藍華と目が合った。
きっとうちを庇ってくれると思った。
「………私見ました……」
……?口を開いたのは藍華だった。
「今日の朝早くに佐藤さんが部室の中を荒らしているのを見ました!!」
え?ちょっ…藍華?
「……藍華?どういう事?」
麻衣はうちの横を通り過ぎ、藍華の前でそう言った。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.31 )
- 日時: 2011/07/27 02:57
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪麻衣視点≫
いつも通りに朝練に向かうとテニス部の皆が睨み合っていた。
急いで近づくといきなり藍華が叫んだ。
今日朝早くに悠里が部室を荒らしたところを見たそうだ。
「……藍華?どういう事?」
私は藍華の目の前に立って聞いた。
「どうもこうも……今日いつもより早く来ちゃったから、部室内のゴミを捨てに行った帰りに見たんだ……悠里が部室を荒らしてるのを…」
「佐藤さんってそういう人だったんだ」
内田先輩は悠里に冷たい目を向けてそう言った。
悠里はオロオロしている。
気が付くともう7時45分過ぎになっていた。
もうそろそろ切り上げないと授業に遅れてしまう。
「先輩……そろそろ…」
「……佐藤、アンタ部室片付けとけよ。皆行くよ〜」
内田先輩は悠里にそう言い、他の先輩たちと一緒に校舎に入っていった。
「麻衣……私たちも行こ…?」
藍華は私の服裾をキュっと掴みながら涙目で訴えてきた。
私はそんな藍華をこれ以上見たくなくて、藍華の手を引き校舎に入っていった。
悠里ごめんね…。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.32 )
- 日時: 2011/07/27 02:58
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: WZM2PwQU)
≪悠里視点≫
何がなんだかわからなかった。
なんで藍華はあんな嘘をついたの?うちが何か気に触れるような事しちゃったのかな…
【キーンコーンカーンコーン】
授業始まっちゃった……
でも部室片付けないと…
うちは部室を片付けると同時に頭の中を整理しようとした。
しかしやっぱりなにもわからない。
…そういえば最近藍華の様子変だよなぁ……
何か悩み事があるかもしれない…
よし!
ここはうちが相談に乗ってあげよう!!
部活のときになら聞けるよね…?
少しでも藍華に元気を出してもらいたい一心でそんな事を考えていた。
それよりこの部室を次の時間までにはキレイに片付けないと(汗)
……頑張るか!!
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.33 )
- 日時: 2011/07/27 22:33
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: utrgh/zS)
≪麻衣視点≫
一時間目を知らせるチャイムが鳴ったが、悠里はまだ来なかった。
……大丈夫かな…?
「欠席は〜…… あれ?高木さん、佐藤さん知らない?」
「え?あ……すみません知りません…。」
きっとまだ部室にいるだろうと思ったが、後々先輩たちを巻き込む大事になってしまわないように知らんふりをした。
私は授業中ずっと朝の事を考えていた。
悠里がそんな事するとも思えないし、藍華が嘘つくとも思えない……
どっちの言う事が本当なんだろ……
「わからない……」
私の声はものすごく小さいはずなのに、ものすごく大きな声で私の脳内に響いた。
しかし周りの音や声は一切聞こえない。
そうしているうちにお昼休みになった。
前を見たら悠里は戻っていた。目の前の席なのに今気付くなんて…
あ……お弁当……三人で食べれるかな…?
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.34 )
- 日時: 2011/08/06 23:00
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: rD6rLP90)
≪藍華視点≫
私は朝早く学校に行き、部室内をぐちゃぐちゃにした。
そして得意の演技をしながら部室の前に膝を抱えて座った。
すると後からきた先輩たちがそんな私を心配し、声をかけてきた
はい計算内。
私は表情を暗くしながら嘘を言った。
先輩たちは私の話を信じ、悠里の事を悪く言った。
いい気味。もっと嫌われればいい。
まだこれじゃ全然たりない。
悠里にはもっともっともっと苦しんでもらう。
〜お昼休み〜
【ガラッ】
「麻衣…いる?」
私は控えめにドアを開け、ヒョコっと顔を出した。
「あ…いるよ〜!ちょっと待ってて!」
麻衣は私に気付くと鞄の中に入れていたお弁当を取り出し、近づいてきた。
「あのさ…藍華、悠里も誘わない……?」
麻衣は私の顔色を伺いながらそう言った。
冗談じゃない。
「麻衣……私、麻衣に聞いてほしい事があるんだ…」
何にしようか必死で頭の中をフル回転させる。
そしていい案が思い浮かんだ。
まぁ 今は言わないけど。
「相談? うん わかったいいよ」
麻衣はそう言うと、「裏庭行こ?」と続けた。
私はそれを了承し、二人で裏庭に向かった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.35 )
- 日時: 2011/08/06 23:01
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: rD6rLP90)
≪直斗視点≫
昼休みになり、俺はフォレストホールという食堂に向かった。
途中麻衣のクラスを覗いてみると、いつも麻衣と一緒にいたはずの佐藤が一人でいた。
麻衣は教室にいない。
藍華のクラスを覗くと藍華もいない。
きっと二人はどこかで一緒に弁当食ってんだろうな。
でもなんでいつも一緒の佐藤と食べないんだ?
佐藤は委員会も入ってないから忙しいわけじゃないと思うし……
仲間外れにされてるのか?
いやいや…麻衣はそんな事しない…。
……何かが起こる気がする。
それはとてつもなく悪い意味で。
俺は佐藤に声をかけようかと思ったが、結局かけずにフォレストに向かった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.36 )
- 日時: 2011/08/06 23:02
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: rD6rLP90)
≪藍華視点≫
〜裏庭〜
私と麻衣は裏庭にあるベンチに座ってお弁当を開いた。
しかし麻衣も私も食べようとしない。喋ろうともしない。
そのまま数分が過ぎた。
「………相談って何?」
少しして麻衣が口を開いた。
「あのね……これ、誰にも言わないでほしいんだけど…」
私は涙目で麻衣を見た。
演技ですが何か?もちろん目薬なんて使っていない。
「わかった。誰にも言わないよ。 それでどうしたの?」
麻衣は私の目を見ながら言ってきた。
「あのね、私………」
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.37 )
- 日時: 2011/08/06 23:03
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: rD6rLP90)
≪麻衣視点≫
藍華の話は私にとってものすごく衝撃的なものだった…。
「…それっていつからなの?」
私は恐る恐る聞いた。
「マネージャーになったあの日からだよ……」
藍華はついに泣きだしてしまった。
そんな藍華を慰めながら私はどんどん心が重く感じがした。
藍華が悠里にいじめられてるなんて……
今まで私は悠里が大好きだった。
優しくていい子で、一緒にいると笑い合える。
笑顔になれる。
でもそれが全部演技だったなんて……
私は悠里を嫌いになったわけじゃない。どこかつっかかっているところもある。
でも藍華を見たらそんな思いも消えてしまいそうだった…。
私が藍華を守ってあげないと……
そうじゃないとこの子は壊れてしまう。
私が守ってあげないと—……
生温かい風が私と藍華を優しく包んだ気がした。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.38 )
- 日時: 2011/08/06 23:04
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: rD6rLP90)
≪悠里視点≫
〜部活中〜
部室内ではなにもなかった。
ただ挨拶は返ってこなかったけど(汗)
さて……昨日休んじゃった分マネ業頑張るか!!
うちはドリンク作りを始めた。
そのとき、部室に藍華が入ってきた。
そしてうちの目の前まで歩いてきた。
「ねぇ、悠里は麻衣の事好き?」
「?好きだけど、それがどうかしたの?」
すると藍華はうちの目を見てこう言った。
「私は悠里の麻衣が好きって気持ちよりも麻衣の事を好きなの。」
「……?」
言っている意味がわからなかった。
「だからね、嫌われちゃって」
藍華はそう言うと側にあったドリンクを一つとって、左肩にドリンクの中身をかけた。
うちを見て「さようなら」と言うと思いっきり叫んだ。
「悠里やめてッ!!もうやめてよッ!」
そして肩を抑えながら崩れ落ちる。
その行動に思考がついていけなかった。
少しすると足音が近づいてきて、部長さんを先頭にテニス部メンバーが部室に入ってきた。
あ……うち嵌められたんだ…
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.39 )
- 日時: 2011/08/06 23:05
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: rD6rLP90)
≪藍華視点≫
成功成功。
悠里は単純で助かるよ。
じゃ、もうちょっと仕掛けとこうかな…
「麻衣ッ……麻衣…!」
私は麻衣に泣きながら抱きついた。
丁重に体を小刻みに震わせながらね。
「どっ どうしたの?」
麻衣はオロオロしながら私を抱きしめた。
「わっ…わた……私が…ね、ドリン…ク作るの手伝お……と思った…ら…」
私はそれ以上喋らなかった。
下手につじつまが合わない事言ったら不自然だからね。
さて、そろそろ始まるかな…
私が思ったと同時に神蔵先輩が悠里を叩いた。
笑いそう……こらえなきゃ…
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.40 )
- 日時: 2011/08/06 23:06
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: rD6rLP90)
≪麻衣視点≫
見たものは地獄絵図だった。
藍華がびしょ濡れになって泣いていた。
そんな藍華を慰めてるとき、神蔵先輩が悠里を叩いた。
「アンタ最低だね!宮沢いじめといてなんでいつも笑ってられんの!?」
「もしかして宮沢をいじめやすいからマネやったの?」
神蔵先輩と内田先輩は交互に色々な事を言った。
しかしなぜか悠里は反発も否定もしなかった。
本当にやったのかも…
こんな思いが私の頭に浮かんだ。
「悠里ってこういう人だったんだ…。ガッカリしたよ」
私はそう言い放つとジャージの上を藍華に羽織り、保健室に連れていった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.41 )
- 日時: 2011/08/19 15:12
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪悠里視点≫
痛い…… 先輩に叩かれた頬が…。
痛い…… 心が…。
藍華は何がしたいの?
なんでこんな事をしたの??
うち、藍華になにか悪い事した?
してないはずだよ… 藍華とは何もないよ…
じゃ、なんで?
誰かに頼まれたのかなぁ…?
命令されて断れなかったとか……
きっとそうだよね?
そうじゃなかったらこんな事しないよね?
聞きたい…藍華に会って理由を聞きたい。でも正直怖い。。
友達に対してこんな事思っちゃダメだけど、藍華が怖い…。
でも藍華はうちの友達だから。
友達が困ってるのをほっておけないから。
…保健室に…………行こう。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.42 )
- 日時: 2011/08/19 15:13
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪麻衣視点≫
〜保健室〜
「藍華落ち着いた?」
さっきの出来事から数分が経った。
時間が過ぎると共に、藍華はどんどんと冷静さを取り戻していった。
「……さっきの事なんだけどさ…」
私は口を開いた。すると藍華は
「聞かないで……喋りたくないよ…大切な友達の告げ口なんて…」
震える体を抑え、必死に恐怖に耐えていた。
確かに今は言える状態じゃないな…
そう思った私はそれ以上なにも聞かずにただひたすら藍華の頭を撫でていた。
それから数分するとこちらに向かって一つの足音が近づいてきた。
【コンコン】【ガチャ…】
ノックをしてから入ってきた人物は悠里だった。。
正直今は会いたくなかった。
藍華は怯えながら、私の腕にしがみついてきた。
そんな藍華を慰めるようにまた撫でる。
悠里……早く出て行って…。
私は必死になりながらそう目で訴えた。
しかし私のそんな思いは通じず、悠里はこちらに向かってきた。
そして私と藍華の前で止まり言った。
「藍華と二人っきりで話がしたい」
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.43 )
- 日時: 2011/08/19 15:14
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪藍華視点≫
【コンコン】【ガチャ…】
そんな効果音と共に私と麻衣の邪魔が入った。
今まで二人っきりだったのに…
まぁ これも計算内。 悠里がここに来る事ってわかってるよ。
だって悠里はバカだもん。
「藍華と二人っきりで話がしたい」
ふ〜ん……まぁそろそろバラしてもいいかな…
「ふざけないで!藍華になにかする気でしょ!?」
「違うよ…。何でこんなことしたのか聞きたいの」
「は?いじめたのは悠里でしょ!?藍華のせいにしないでよ!」
二人が言い合いを始めた。
つまらない…。早く終わらせよっと…。
「麻衣……私は大丈夫だから、悠里と一対一で話がしたい…」
麻衣の目を見ながらそう言う。
「…………わかった…。でも何かあったら言ってね?」
「うん。麻衣ありがとう」
私は笑顔でそう言った。今の笑顔は演技なんかじゃない。
この笑顔は自然に出てきた本物の笑顔だ。
麻衣は私の手を一度握り「またね」と言うと保健室を出ていった。
さて…… そろそろネタばらしの時間かな。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.44 )
- 日時: 2011/08/19 15:15
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪悠里視点≫
「ねぇ、なんであんな事したの?」
私は藍華の手を取り言った。
「…………なんで…?」
藍華はうちの手を取り、捻じ曲げながらこう言った。
「だってアンタうざいんだもん。」
……え?うざいって…
誰かに頼まれたんじゃなくて、自分の意思でやったって事??
「なんでうざいの?」
「まだ言わない。」
「なんで??」
うちは捻じ曲げられた手を離してもらおうとして、手を引っ込めようとした。
しかし藍華は手を離さず、より一層の力を込めながらこう言った。
「自覚してないなんて有り得ない」
その言葉に対して何かを言おうとしたが、藍華はこう続けた。
「アンタが悪いんだ。私の事退けものにして、自分は楽しそうに笑ってて…
だからね、皆に嫌われてよ。
私の罠に引っ掛かって、溺れて、苦しんで悲しんでよ。」
そう言われたとき確信した。
藍華が怖い—…
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.45 )
- 日時: 2011/08/19 15:15
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪神蔵視点≫
……どうなってんの?
佐藤は何もしてないの?
高木が部室に戻ってきたので色々と聞いたら、保健室で佐藤と宮沢が話してるって聞いた。
この状態で二人を一緒にするなんて危ないじゃないか。
私はそう思い、一人で保健室に向かった。
ドアを開けようとしたとき、こんな会話が耳に入った。
「—…皆に嫌われてよ。
私の罠に引っ掛かって、溺れて、苦しんで悲しんでよ。」
宮沢の声……
え…ってことは、佐藤は何もしてなかったの??
私……佐藤の事叩いちゃった…
…………こうなったら仕方ない…
知らんふりを続けよう。
私はこの会話を聞いていない。今の話は一切知らない。
私はここを通りかかっただけ。何も知らない。
そう自分自身に言い聞かせ、足早に部室に戻っていった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.46 )
- 日時: 2011/08/19 15:16
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪藍華視点≫
さっきから悠里はずっと黙っている。
悠里の事だから、私に言われた言葉がショックだったのかもね。
いい気味だ。
少しずつ悠里の顔色が暗くなっていく。
体も震えだし、立っているのがやっとみたい。
悠里は傍にあった椅子に力なく腰掛けると私を見てこう言った。
「…………もうやめて……?うちに悪い所があったなら直すから…」
は?直す?バカみたい。
ってか、理由を言うわけないじゃん。
「意味わかんない。誰が言うか。」
私は冷たく言い放った。
「そんな………… どうして……。」
どこまでバカなのこの女は。
バカで鈍感で人の気持ちもわからないような奴と一緒にいる麻衣の気が知れないわ。。
最高にムカついたよ。
どんどんどんどん苦しめて追い詰めてやる。
そのうち自殺とかしたら最高なのに…。
ねぇ悠里
早く死んでよ。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.47 )
- 日時: 2011/08/19 15:17
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪麻衣視点≫
数分後に二人は戻ってきた。
悠里はさっきよりも顔色が悪い。藍華はさっきより清々しい顔をしている。
なんで悠里の顔色が暗いのか意味がわからない。
傷ついてるのは藍華の方なのに……
こんなに藍華を追い詰めた悠里の事を私は許さない。
絶対に許さない。
〜部活後〜
「ありがとうございました!」
「ありがとうございました!!」
いつもの挨拶で部活が終わり、いつものように荷物をまとめていた。
するとこんな会話が聞こえた。
「佐藤、マネ業宮沢一人じゃ大変だからやらせるけど、宮沢をいじめたり手だしたりしたらマジで許さないからな」
「あんま調子のらないほうがいいよ」
内田先輩と杉山先輩はそう言って部室を出た。
しかし神蔵先輩は何も言わずに悠里の横を通り過ぎて帰った。
神蔵先輩もなんか言っちゃえばいいのに……
私は心の中でそう思っていた。
その後は藍華と二人で帰った。
久しぶりに途中ファミレスに寄って、好きな芸能人の話をしながら盛りあがった。
笑顔の藍華を見たのも久しぶりだったので、私的にすごく嬉しかった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.48 )
- 日時: 2011/08/19 15:17
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪悠里視点≫
皆怖い……
藍華も先輩たちも、麻衣でさえも怖くなってきた…
うちの顔にいつもの笑顔はない。
どこかにいってしまった。。
〜次の日〜
〜自分の部屋〜
学校……行きたくない…。
部活も行きたくない…。
皆に会いたくない…皆と喋りたくない…。
でも行かないと……。
うちは重い足取りで支度をし、朝練に向かった。
登校途中、何度かめまいや吐き気がしたが、なんとか学校まで辿りつけた。
〜校門前〜
足が動かない……
だるい…気持ち悪い…吐きそう……
校門によっかかり、数分間ボ〜っとしていた。
しかしそれが間違いだったのか、前方から藍華が歩いてきていた。
そしてうちの横を通り過ぎるときにこう言った
「まだ生きてたんだ」
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.49 )
- 日時: 2011/08/19 15:18
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪藍華視点≫
今日の朝は何もしかけないでおこうと思い、いつも通りの時間帯に家を出た。
学校の側までくると、正門の辺りに誰かを見つけた。
よ〜く見てみるとそれは悠里。私が嫌いな悠里。
ちょっとおちょくってやるか。。
私は悠里と目も合わせずに通りすぎようとする。
悠里はホっとした表情だ。
しかし私は横を通りすぎると同時に言った。「まだ生きてたんだ」と。
悠里は「ヒッ……」と言って素早く振り返り私を見てきた。
私はそれ以上なにも言わずに一人で部室に向かおうとした。
歩いている途中、私が横目で裏門を見ると麻衣が登校していた。
私はとっさに振り返って悠里に近づく。
そしてあたかも私が悠里に声をかけようとしている雰囲気を作る。
よし完璧。
するとそれに気付いた麻衣がこっちに走って向かってきた。
「藍華!大丈夫?何もされてない!?」
あぁ…麻衣が私を心配してる……
私だけを見てくれてる。
「私平気だよ?だから心配しないで」
私は麻衣に優しく微笑みかける。
そう これ。これだけでいい。
麻衣の瞳に映るのは私一人で十分。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.50 )
- 日時: 2011/08/19 15:19
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪麻衣視点≫
朝、学校に登校していると藍華と悠里を見つけた。
藍華はオドオドしながら悠里に近寄っている。
多分優しい藍華の事だから、挨拶しようと思ってるのかな?
でもこのまま二人を一緒にさせたら危ない!
私は考えると同時に二人の元にかけよった。
まだ藍華はなにもされてなかったみたい。
悠里に何かされる前に見つけてよかった……
「藍華一緒に部室行こ?」
私は藍華の手を取り言った。
「うん。行こっか」
藍華は私の手を握った。
そのまま私と藍華は部室に足を運ばせた。
もちろん悠里を置いて。
〜部室〜
私は急いでユニフォームに着替えラケットを持った。
麻衣「じゃ、私コート行くけど、何かされたり言われたら直ぐに私の所に来てね?」
「わかった。ありがとうね…」
藍華は申し訳なさそうに私に言う。
こんなにいい子をいじめるなんて、悠里ってどんな神経してるんだろ……。
私は藍華に手を振りながら部室を出ていった。
- Re: *Flower* 『bad ending』 ( No.51 )
- 日時: 2011/08/19 15:19
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪神蔵視点≫
朝、私は奈々子よりも唯よりも早く部室に着いた。
ドアを開けるとそこには宮沢と佐藤の二人がいた。
「神蔵先輩おはようございます。」
宮沢はいつものようにニコニコしながら私に挨拶をしてきた。
しかし私はいつものように挨拶を返せなかった。
昨日、いつもの性格とはかけ離れている宮沢を見てしまったから。。
「おはよう…。」
私は小さく、しかししっかりと聞こえる声で宮沢に挨拶をした。
「先輩おはようございます!」
その後に続き佐藤も挨拶をしてくる。
この子は悪くない。ちゃんとそうわかっている。
でも今更佐藤の味方になる事もできない。
だから私は観覧者になる。
一番卑怯で居心地のいい観覧者に。
佐藤にも挨拶を返してさっさとユニフォームに着替え部室を出ていった。
- Re: Part.3 「敵、味方 そして観覧者」 ( No.52 )
- 日時: 2011/08/19 15:25
- 名前: ★AYA★ ◆cUMxI81o5. (ID: G3bbAK5P)
≪内田視点≫
今日は朝から気分が悪かった。
吐き気がしたので学校に行きたくなかったが、宮沢がまたなにかされたらと思うといてもたってもいられない…。
仕方なく朝練に向かい、佐藤の監視をする事にした。
宮沢がいじめられたら宮沢自身の事ももちろん心配になるが、尚且つ部、全体の空気などが変わってしまったら困る。
私は部長なんだから、そこらへんはしっかりしないと……
次に何かあったら本当に本気で佐藤を絞める。
殴ったり蹴ったりするのは当たり前。
だってこれは佐藤を立派な大人にする為の教育なんだから。
内田奈々子→敵
