ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

序章 ( No.1 )
日時: 2011/07/26 11:57
名前: 道化師 ◆tZ.06F0pSY (ID: OXTNPTt9)



ここは確かに僕等の知っている学校で、僕等の学び屋。
…の、はずだったんだ。

友達と他愛も無い雑談を交わした教室、
走り回って生徒指導部の先生に怒られた長い廊下、
昼の食事スポットで青空が綺麗な屋上。


全てが同じなのに、今はまるで違う場所のようだった。



カツ、


カツ、


カツ、



殺人鬼の近づく足音が聞こえる。
明けない夜に頭を抱えて、僕は震えた手で携帯電話を開いた。
0:00から時間表示が動かない。

もうあれから何時間も経つというのに、時間も分らず時計も止まったまま。
もうあれから何十人もが犠牲になったのに、未だ終わらない殺人ゲーム。

どうしたら僕は助かるだろうか?
どうしたらこのゲームは終わるのだろうか?



カツ、


カツ、


カツ、


———カツン。






その時、足音は僕の後ろで止まった。