ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 第一章 平凡な日常にサヨウナラ ( No.17 )
- 日時: 2011/07/29 17:16
- 名前: 道化師 ◆tZ.06F0pSY (ID: OXTNPTt9)
〜♪〜♪〜♪
ある夏の夜の出来事だった。
聞き覚えの無い着信音と共に、僕はその場から身を起こした。
≪ 第一話 始まりの着信音 ≫
「痛っ……」
頭が痛い。吐き気がする。
僕はその場に立ちあがったが、激しいめまいと頭痛に襲われ、再びその場に片膝を付いた。
薄暗い廊下…少なくとも、僕がいた場所ではないようだった。
…そう、僕は夜夕食を買いにコンビニまで行って…それから……。
それからが、どうしても思い出せない。
後ろから強い衝撃を受けたのは確かだけど…まさか僕は襲われたのだろうか?
で————それにしても、ここはどこなんだろう?
頭痛がひいていた頃、僕は再び立ちあがった。
目も暗闇にも慣れ、周りが明るみとなる。
……、
…————え?
ここって…見覚えがあるぞ?
ここってまさか、僕の通ってる学校!?
〜♪〜♪〜♪
と、再び知らない着信音。
ハッとなってそちらを見ると、僕の携帯電話が無造作に落ちてあった。
僕はそれを拾い上げる。
どうして僕はここに?
どうして知らない着信音が?
僕はその疑問を解決できぬまま、携帯電話を開いた。
- 二件のメールを受信しました -
二件…きっと僕が起きた時に聞こえた着信音もメールだったのだろう。
僕はまず、一件目のメールを開いた。
件名:脱出ゲーム参加者、不二磨 悠氏様
本文:脱出ゲーム参加者10名の皆様、夜分遅くにお集まりいただいたのは外でもありません。
今からこの学校で脱出ゲームを行います。
まず初期ルールとして、紅服の男に捕まらない様に逃げてください。
紅服の男に捕まったら殺されます。
また、このゲームが終わるまで、永遠に朝は空けません。
今はまだゲームを終わらせる事ができません。
なので追加ルールをメールで追って知らせます。
今はとにかく紅服の男から逃げてください。
—————何なんだこのメール?イタズラ?悪ふざけにも程があるんじゃないか?
僕はイラつきを覚えんがら、次のメールを開いた。
だけど、そのメールを見た瞬間————
僕のイラつきも、呼吸も、心臓までもが止まりそうになった。
件名:ゲーム経過のご報告
本文:1年3組の三永 和嘉さんが不正な脱出を行おうとしたため紅服の男に捕まりました。
見せしめとして貴方達にある写真を公開します。
—————!!?
この写真は。
あまりにも残酷で、
あまりにも生々しいものだった。
鮮血
何度も刺された跡が残る胴体
刺し傷から流れる大量の血
心臓に刺さったままの包丁
それは女の子の惨殺された死体だった。
「…っ!!!」
僕は思わす携帯を放り投げた。
その次に襲ってきた気持ち悪さに、吐き気がする。
同時に目まいがして、立ちくらみを起こす程だった。
「…な、なんだよコレ………」
訳が分らない。
何が何だか理解したくも無い。
僕は携帯電話を拾い上げると、2件のメールを削除した。
恐怖と困惑
疑念と確信
これは脱出ゲームなのか?
いや、きっと違う。
これはきっと————————
殺人ゲームなんだ