ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 生存率0<ゼロ>PERCENT!! ( No.4 )
- 日時: 2011/10/02 14:54
- 名前: リーナ (ID: q9W3Aa/j)
生存率0<ゼロ>PERCENT!! 第2章 〜開始〜
あれから、この教室に連れてこられた8名の自己紹介をした。
5番の少女は、田中 桃子、声が消えてしまいそうなあの、ボブカットの少女だ。9番は、橘 蓮夜という少年。赤髪のショートで、目つきがキリッとした奴だ。10番は私、朝霧 樺夜。そして、13番はあの、黒髪をポニーテールに縛り、ちょっとつり目で気の強そうな少女である、雛菊 彩(ひなぎく さや)だ。18番は、銀髪のストレートが特徴で物静かな少年の鈴季 悠(すずき ゆう)。25番目は、茶髪ショートで、いかにも「元気いっぱいです!」的な、オーラを放っている少女、日暮 真琴(ひぐらし まこと)。自己紹介の時も、コイツだけ異様に元気だったな。27番は、なんとも頼りなさそうな黒髪の少年だった、確か名前は…高橋 俊(たかはし すぐる)と言ったけ、そして、最後は32番の男、コイツは背が高く黒の髪を男のくせに、肩ぐらいまで伸ばし、「オレは偉いぜっ」って顔だ。名は、北条 拓海(ほうじょう たくみ)だったな。計、男4名、女4名の8名だ。
そして、今はこいつら皆に朝届いたという、黒い手紙について話していた。
「この手紙によると、“開始時刻は正午だ。君らで、私の求めている物を差し出せ”って、書いてありますけど…どぉいう意味でしょう?」
俊が、手紙を読み上げながら疑問を呟いた。
「さぁな。君は、この手紙を読んでどぉ思う?」
悠は、手紙をじっと見た後樺夜に、質問した。樺夜は、手紙を見た後窓に背を預け腕を組み、静に口を開いた。
「知ってるか?この学園には、毎年数多くの生徒が入学している。だが、卒業し社会に出ているのは…わずかの人間だけだ。」
「そっそれって…どぉいう事?」
桃子が、震える声で聞いた。
「簡単なことさ。この学園は、政府によって建てられ、政府によって動いている。何故、倍率が超高いのに試験に受けに来た生徒が全員受かると思う?」
「…たまたま、全員頭が良かったんじゃねぇか?」
蓮夜は、半信半疑で言った。
「そりゃめでたいな。残念ながら、ハズレだ。」
ニッと笑いながら、樺夜は言った。「じゃぁ、どうして…?」また、桃子が質問した。
「言っただろ?政府によって、動いてるって。つまり、試験は受けてもこの学園に入学することは、決まってたんだ。この学園に、入学を希望した、時点でな。」
「そんな、ことが可能なの?何のため…」
彩は、信じられないという顔をした。当たり前だ、私だって信じたくないって。
「この、学園の生徒…私たち以外の“普通”の生徒は、材料だ。“ゲーム”のな。」
「げっゲーム?ゲームって、何の事ですか?」
震える声で、俊が聞いた。
「手紙に書いてあるように、正午からゲームが始まるんだよ。それも、命を賭けた、“デス・ゲーム”がな。」
「まっ待ってください!そんな事、どこにも書いてないじゃないですか!」
俊は、手紙を持ちながら言った。あぁ、面度くせ…。
「何故、卒業して社会に出ている生徒がわずかな、人間だと思う?何度も言うように、この学園は政府によって動いてるんだ。良いか?この学園は、政府の実験台みたいなもんなんだよ。」
「でっでも、それが何の意味なのよ!」
彩が、少し震えた声で言った。またかよっ…。
「だから、この学園に政府が作った“デス・ドール”を、送り生徒の戦闘能力を試してるんだ。そして、生き残り卒業出来た者は、政府の機関で働けるってことだ。」
「デス・ドール?つまり、死の人形?」
ガタガタ震えながら、桃子が聞いた。おいおい、大丈夫か?
「人形じゃない。この学園で死んでった生徒を、回収し何らかの実験で、人を襲う人間にしたんだ。そして、今回私達が、入学出来たのは私達の持つ能力を調べるためだ。」
「マジかよっ…でも、先生達は?普通の人間だろ?犠牲になるんじゃ…」
蓮夜は、引っかかる疑問をぶつけた。
「それは、無いな。先生は皆、政府の人間だ。今頃は、職員室はもぬけの殻だろうな。」
「あの…大体の事は分かりました。しかし、この手紙には“求めている物”とあります。それは、一体何ですか?」
俊が、一番の疑問を聞いた。皆も、樺夜を見た。
「それは、分からない。とにかく、その謎を解くにも“デス・ロール”と戦うんだ。それに、手紙には地図もある。これによると、“最上階の屋上へ行け”と書かれてる。だから、此処に行けば謎が解けるってことだ。」
「なぁ、何でそこまで知ってんだぁ?」
拓海は、口元を吊り上げながら言った。皆も、その事に疑問を持ったのか、首を縦に振った。
「もともと、この学園が気になっていろいろ、調べただけだ。それで?皆の能力って何だ?」
樺夜は、皆に近づきながら聞いた。
「わっ私は、呪文を唱えることで、防御が出来るんです。」
桃子は、守りか…。次に、蓮夜を見て言った。
「お前は?」
「オレは、このでけぇ剣だ。」
といと、刃がとてもでかい剣を出した。
「ふぅーん。で、お前は?」
「私は、弓よ。遠距離が得意なのよ。」
彩は、弓を見せた。確かに、得意そうな顔をしている。
「オレは、拳銃だ。」
悠は、静に言った。顔に似合わずすげぇな。
「私は、自分の拳!この、手袋をはめて戦うわ!」
真琴は、元気いっぱいに言った。こいつは、接近戦か。
「次、お前。」
「はっはい。僕は、この九尾の狐です。今は小さいですが、僕と共鳴することで、大きくなるんです。」
俊の、ポケットから狐が顔を出した。とても、愛くるしい顔をしている。
「あんたは?」
最後に、拓海を見て聞いた。
「オレは、この笛だ。この、笛を響かせ音波で攻撃するんだ。」
自身満々に、自前の笛を出した。笛は、細く50cmほどの長さだった。
「で?あなた?なんなの?」
「私は、言えない。だが、その内分かる。」
これで、能力は分かった。何故、こいつらが“普通”じゃないのか、それは、頭脳の良さ、身体能力のずば抜けた高さだ。
「で、これからどぉするんだ…?」
蓮夜は聞いた。
「まずは、時間になるのを待つんだ。それから、決める。」
これから、生と死を分けた戦いが幕を開ける。
生存率0<ゼロ>PERCENT!! 第2章 〜開始〜 完