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Re: 鏡の国の君を捜して ( No.106 )
日時: 2011/12/17 15:07
名前: クリスタル (ID: RIMOjgnX)

 ゛エリーゼさん゛は殺された……?

「それ、どういう意味ですか!? 殺される瞬間って!」

「う…うるさい! 勘違いしないで、レイシー。あたしとあんたは同じ鏡の国の住人ってだけ! あんたに全てを語る義理は無い!」

 まさかの無関係認識されてた!?

「同じ住人ってだけ!? エリーゼさん! それは———「レイシー」

 突然、ノエルが首を突っ込んできた。

 さっきまでちょっとうつむき加減で、どこか悲しげな表情だったのに。

「その件は———あまり、触れないであげてください」

「………………………………………」

 なんだろう、この冷めた空気。重たい空気。

「えっと、エリーゼさん、すみませんでした」

「…う…ん」

 あああ。空気が重たい。こんな質問なんてしなければよかった。



 ギィィと、結構重たそうな扉を押して中に入った。ちょっとカビ臭い気がした。

 部屋を見回して、キノコが生えていることに気が付いた。身体に悪そうな部屋。

「…ヤマネ、いるか? と、言うより生きてるか? こんなじめじめした部屋で」

 まあ、普通は安否を心配するよね。イカレていても、そこは心配するのかと、ちょっと関心。

「スマン、寝てた」

 どこかで聞いた事のある台詞と声。どこだか思い出せないけど。

「こんな環境でも眠れるの? ヤマネ」

 エリーゼさんのことは軽く無視して部屋の置くからおっさんが出てきた。

「誰このオッサン!」

「久しぶりだな、マッドハッター」

 ついでに私の事も無視した。

「二人の事を無視するなんて…ストレスでも溜まってるんですか? やっぱり僕らが門番をしたほうが……」

 次に、ノエルの事すら無視。

「そこのロン毛、フランスに戻るのか?」

 周りを見たが、ロン毛なんて居ない。こいつ、誰の事を言ってるんだ、頭おかしいんじゃないか…と、思ったけど私のことだった。

「別に、フランスに用は無いですけど」

 また私の事をシカトして、いきなり腕を掴んできた。

「う、え!? え!? なに!? せ、セクハラ!?」

 またまた私の事をシカトして、私の手の甲に爪を立て、素早くスライドさせる。

 当然、私の手の甲から血が出る。

「いやああああ!! セクシャルハラスメントなうえに、ドSなの!?」

「お前の血は頂いた。通ってよし」

 あまりの衝撃に目眩がした。

 オッサンに腕つかまれるわ、手の甲傷つくわ……ヤマネって、何者?

「ちょっと、ヤマネ。違うの、今日は、そんなことをしに来た訳じゃなくて…あなたの協力がいるの」

「ゲートを使わないだと? じゃあ、なんのようだ! 私は眠りねずみだぞ? 眠たくてイライラしているんだ!!」

 エリーゼさんが「嗚呼、やかましいし、面倒なやつ」と、呟いてから言った。

「これから、ストリートへ向かう。ついてくるでしょう?」

「……いく……」