ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鏡の国の君を捜して ( No.128 )
- 日時: 2012/01/06 00:03
- 名前: クリスタル (ID: RIMOjgnX)
ストリートをショッピングを楽しみながら進む私たち。(主にエリーゼさんしか楽しめてないようだが)
町並みは殆ど変わらず、おしゃれなアパート、何を売ってるのか判らない店、高価すぎて絶対に近寄りたくない店、今にもつぶれそうな店などが続いていた。
「ねぇ、キルー。ストリートの終わりってどこ?」
すっかりタメ口になったワタシ。だって、この人から威厳を感じられないんだから、しかたないだろう。
「ストリートは鏡の国で一番長い通りだ。おそらく、まだ半分を過ぎたところだろう」
「だからストリートって名前なの? 誰なの、こんなに無駄に長い通りを考えた馬鹿は!」
苦笑いしながら「全くだ」と、同意してくれたキル。
アレ? もしかして、初めてまともな会話した?
そんなはずは無いと思いたかったが、それが現実、真実、事実。なんてこった。
それにしても、エリーゼさんに持たされている紙袋が意外と重い。何をこんなに買っているのか。
そもそも、そんなにたくさん金が有るのか。ノエルと私の紙袋を合わせて、8袋。(ノエルが6つ持っている)
何を買ったのか気になる。私は袋の中身を覗く事を決意。
友達にもらった誕生日プレゼントを空ける瞬間とか、腐ったプリンの蓋をあえて開けるときと似ている感覚だ。
一袋目は、野菜ジュース野菜ジュース、アンティークの懐中時計、目覚まし時計、デジタル時計、オシャレ腕時計(時計率高いなぁ)。
二袋目は、カロリーメイトチーズ味、カロリーメイトメープル味、カロリーメイト夏の日の思い出味。
私は見ては成らないものを見た気がした。
終わりが見えないストリートで、目の前に一際大きな人だかりが出来ていた。
なんとなく、女性が多いみたいだ。女性が集まるって、何だろう。
たまに、ベテラン勇者みたいなおじさんが混ざっていた。モン○ターハンターに出て来そうな。
中央では、一人のイケメンが、騒いでいた。キルと同年代くらいに見える。
女性の目当てはこの人だろうけど、おじさんの目当ては?
「この店、まさか——」
と、キルさんが呟いた。なにやら、嬉しそうな表情。
中央にいる男が何か言ってるけど、女性の「きゃーきゃー!」という歓声がうるさくて聞こえなかった。
かろうじて聞き取れたのが、
「オレの作った武器の売りは、安くて、よく切れて、軽くて、そして脆い!!」
そういった瞬間、人だかりがかなり減った。
脆い武器は売れない。
10分後、だいぶ人だかりが減ってきたころ、キルがその店に突き進む。
それに続く私とノエルとエリーゼさん。
「久しぶりだな、クロード」
と、キルが言うと、武器屋の男が
「おお! キルか!」
と、嬉しそうに微笑んだ。と、思ったら
ドオオォォン
と、銃声が鳴り響いた。
驚きすぎて、理解が出来なかったけど、クロードと呼ばれた男が拳銃を持っていたのはわかった。
銃口はキルに向けられている。まさか———
キルが、その場に倒れた。
「キル!?」
ちょっとまて、ちょっとまて!
キルが倒れたにもかかわらず、ノエルもエリーゼさんも、平然としている。ヤマネさんに至っては眠ったまま。
私の頭は真っ白でも、事は進んでいく。
キルが立ち上がる、「痛てぇよ、クソ!」と、一言。
いつの間にかいなくなってる人だかり。
クロードが笑いながら「去年のお返しだ」と。
頭真っ白。意味わからない。何で撃たれて生きてるの。
私が倒れた。