ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鏡の国の君を捜して ( No.17 )
- 日時: 2011/08/09 14:26
- 名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)
- 参照: 小説大会、参加しているのでどんどん投票入れてね!
次の日の朝、まだ、親も寝ているような時間に外へ出た。早朝は、涼しいはずなのに、太陽の光がとても暑い。おのれ、夏。
流石に、こんな朝早くに昨日の女性が着ているわけもなかった。
「やっほ〜」
おかしいな。誰も起きてないような、早朝なんだけどな。
「おはようございます」
「あなた、礼儀正しいねぇ。まあ、たまに凶暴化するけれど」
「それ、いつの話してるんですか?」
「昨日の昼間。まあ、早くリボン探しに行こう」
あ、そうだ。昨日、聞きたかった質問。
「なぜ、ウサギに私がしたことと、ウサギが私にしたことを知っているんですか? アリスって誰ですか? あなたの名前は?」
「そんな、質問攻めすんなよー!」
「……すみませんでした」
なんか、若干キレられた。
「最初の質問の答えは、私と昨日のウサギが同一人物だったりするからだけど」
はい? いや、まて。ウサギが人になるはずが無いから。この人、ふざけているんだ。そうだ、きっとそうだ。
「冗談、きついですよーあはははー(棒読み)」
「別に信じなくてもいいけど、昨日のウサギと私が同一人物なら、最初の質問、納得できるでしょう?」
確かに、納得できる。いや、でもおかしい。
「どうしてウサギがしゃべるんですか? どうしてウサギが人になるんですか! あ、妖術?」
「人を、妖怪扱いするんじゃなーい!」
「ふがっ」
真空とび蹴りが炸裂。顔面に当たった。
「あのねぇ、私の様な鏡の国の住人はね、人間の屍に憑依して、人の姿をしていられるんだよ! そんなことも知らないんか!」
「知るかボケェェ!! 知ってら、そんなこと聞かねーわ!」
あ、いつもの調子で、ケンカが始まりそうだ……。
「閑話休題。次の質問だけど、アリスって誰?」
「鏡の国の住人で、父親は、鏡の国出身で、母親がこっちの世界出身の、ハーフらしい。それから——あ、いや、なんでもない」
彼女は、何か言いかけたけど、なんだったのだろうか。それに、鏡の国? って、なんだろう。
「最後の質問。名前はなんですか?」
「え?皆には、シロウサギとか呼ばれてるけど、この屍の名前が、゛エリーゼ゛とか言うらしい」
「じゃあ、これからエリーゼさんと、呼びます。私は、レイシーです」
なぜか、一瞬、固まったエリーゼさん。
「……レイシー……?」
そう、つぶやいて、エリーゼさんが深刻そうな顔をした。