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Re: 鏡の国の君を捜して ( No.35 )
日時: 2011/12/17 19:24
名前: クリスタル (ID: RIMOjgnX)

 Ⅱ 【Un chapelier ridicule     〜イカレた帽子屋〜 】

 〜Prologue〜



 …カタカタカタ……カーンカーン……

 ミシンの音と、何か硬いものを金づちで叩く音が鳴り続く。

「また、帽子ができたぞ」

「わぁ、やっぱりクレイジー……コホン、師匠はすごいです」

 2人の男は、全く違う方法で帽子を作っていた。

「お前もミシンを使わないで作れるようになれ」

「……ハイ。(僕が生きているうちは無理だ)」

 また、ミシンの音と金づちの音がなり続く。

 二人のいる小屋の前には、大きなコケの生えた大木が建っているその大木が突然光りだした。

「クレ………師匠、また新しくあっちの世界から来るみたいですよ」

「本当だ。……それはどうでもいい。手が止まっているぞ」

「は、はい!」

 …カタカタカタ……カーンカーン……

「次は生きて帰って欲しいですね」