ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 鏡の国の君を捜して ( No.4 )
日時: 2011/08/04 17:37
名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)


 仕方なく、家に帰ることにした。

「あのウサギ、今度見つけたら絶対捕まえてやる。」

 心に誓った。でも、あのウサギは野生っぽくなかった。首に、青いリボンをつけていた。それにかなりふわふわだった。おそらくペットだろう。


 家の前まで来ると、黒と白のストライプの猫がいた。「にゃあ」と、小さくないた。か、かわいい。

少し珍しい柄の猫だけど、動物好きのレイシーは、とりあえず猫に触れてみた。人に慣れているのか、逃げようとはしなかった。

「アリス、いつの間にこっちにきたの?」

 猫が言った。おかしいな、ウサギがしゃべったり、猫がしゃべったりするな。やっぱり風邪なのか? ……しかも、アリスって誰?

「誰と勘違いしているのか知らないけど、アリスって誰?」

「何を言ってるの? アリス……ハッ! まさか!」

 猫が、いきなり飛び退いた。

「レイシー!?」

 猫は、私の名前を知っていた。でも、なぜ?

「なんで私の名前を、知っているの?」

 と、言うか、何で猫と会話しているんだろう? 私。

「レイシーが、生きているなんて………!」

 そういって、猫はどこかへ逃げて行った。

 ゛アリス゛。どこかで聞いた名前だ。なのに、思い出せない。そういえば6年前、私が7歳のとき、階段から落ちて記憶喪失になった。7歳になるまでのことは、何も覚えていない。

 もしかしたら、7歳になるまでの過程で、あの不思議な猫にあったのかもしれない。それと、゛アリス゛という人にも。

 ぼーっと、猫が逃げて行った方向を眺めていたら、さっきまですごく晴れていたのに、雨が降ってきた。

「あ、庭に本を置きっぱなしにしていたんだ。まあいいや。って、あれ、友達に借りてる本だ!」

 急いで庭に本をとりに行った。