ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鏡の国の君を捜して ( No.9 )
- 日時: 2011/08/08 17:47
- 名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)
- 参照: 小説大会、参加しているのでどんどん投票入れてね!
その夜、親が出かけているうちに、家のインターホンがなった。
玄関を開けると、全く見覚えの無いドレス姿の16歳くらいの女性が立っていた。
「やっほー」
「……だれですか?」
沈黙。
「うーん。やっぱり私の事、分からない?」
「はい、だれですか?」
この人の事は、見た事が無い。全くの初対面のはずだ。
「あー、鈍いやつ。昼間に、白いウサギを見た?」
鈍い? いきなり訪問してきて、失礼な! 閑話休題。彼女が言っている゛白いウサギ゛と、言うのはあの、ふわふわの、青いリボンのウサギの事だろう。
「見ましたけど? 青いリボンのウサギ」
私がそういうと、彼女は微笑んだ。
「昼間は、ありがと。蹴っ飛ばして、悪かったね」
ウサギに私がしたことと、ウサギが私にしたことをまるで自分がやったことみたいに謝った。なんなんだろう? この人。
「そんでさぁ、あなたが私を追い掛け回したせいでさ、青いリボンを無くしたんだけど、捜してくれない?」
ただいま、午後9時半。私だけでは、外出は出来ない。それに、明日は学校。……じゃ、ないんだ! 明日から夏休みだ!
「明日なら、探せそうです。あと、ひとつ聞いていいですか?」
「ダメー。何も聞いちゃダメー。また、会ったときに…明日、答えてあげる」
なぜ、ウサギに私がしたことと、ウサギが私にしたことを知っているのか、聞いてみたかったけど、拒否されてしまったので諦めた。
「ちなみに、私から質問。どうしてアリスとそっくりの顔をしているの? アリスの姉妹?」
まただ。゛アリス゛と、いう名前を聞くのは。
「アリスって、誰なんですか?」
「はぁ?あなた、知らないの?! そんなに顔も似ているのに?!」
顔が似ていても、似て無くとも知らないんだから、仕方が無い。
「そっかー。知らないんかー」
「で、アリスとは?」
「ん? ああ、また明日ね。明日教えるから」
どうして今は、教えてくれないんだろうか? そういえば、この人若干眠そうだ。眠いから、教えないのだろうか?
「じゃ、また明日、ここに来るから」
「はい。じゃあ、さよなら〜」
「あばよー」
あばよって……まあいいか。