ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鏡の国の君を捜して ( No.96 )
- 日時: 2011/12/10 22:37
- 名前: クリスタル (ID: RIMOjgnX)
「で、そんな過酷な真実を、俺はちょっと違うんじゃないかと思っている」
「どう違うんですか、ジェイコムさん」
「誰がジェイコムだ。と、その前に…驚かないのか?」
確かに、今言われて気付いた。
私とアリスが双子? お父さんが暗殺されている? 私とアリスが双子なら、アリスの本名は、アリス・キャロル?(これはどうでもいいか)
「まあいい。俺は7年前、アリスがおかしくなった事やお前が記憶を無くしたことからこう考えている———」
空気が読めないのか、読まないのか知らないが、エリーゼさんが口を挟んできた。
「実はレイシーの正体がアリスで、アリスこそがレイシーで、アリスはお母さんとの間にトラブルがあって、あっちの世界から来て、父親ともトラブルがあり、殺害し、レイシーの記憶を無くさせて、入れ替わったとか?」
「…それ、俺が言うべき台詞なんだが? 見事に台詞、持っていかれたな」
頭がぐるぐるする。混乱してきた。意味がわからない。
「え? 私は、元々アリスで、今のアリスは、パチモンなの?? て言うか、私がレイシーのパチモン?」
「あ、混乱してる割には理解できてる? ね。さっすが元祖アリス」
元祖の意味、ちょっと違うような。(さっきも七転八倒とか四苦八苦の使い方、ちょっと違ったしね)エリーゼさん・馬鹿疑惑。
「これは、俺の考えた仮設だ。ただ単に父の死がショックだっただけかもしれない。俺は、アリスについて詳しくないからな」
「なるほどですんねー」
さっきまでキルさんに殴られて気絶していたノエルが口を挟む。
いつから起きていたのかは、誰も知らない。影薄いんだよ、ボケ!
「アリスは————僕と同じなのかもしれない」
ノエルがそっと呟いたけど、キルさんもエリーゼさんも聞こえてなかったらしいので、私も聞こえなかったふりをした。
「で、お前はそんな過酷な現実を知って、これからどうするんだ?」
キルさんは、もしかして中二病なんじゃないだろうか。
『過酷な現実』ってフレーズが好きなだけで中二病とは限らないけど。
「過酷かどうかは置いといて。どうするって?」
「真実を知りたくないのかってことだ」
真実———私とアリスの本当の過去。そりゃ、もちろん———
「今はまだ幼いから、大きくなってから知りたい」
沈黙。
なんとなく、冷たい風が吹いた。そんな気がした。
実際には生ぬるい風だけど、みんなの冷たい目線が風を冷やしたのだと思うことにした。
そっとノエルがキルさんの後ろに回りこんでカンペ(カンニングペーパー)を私に見せた。
「ごめんなさい実はとても知りたいですでも道がわからない嗚呼困った困った誰か親切な人が教えてくれないだろうか」
カンペを一息で読み上げた。(しかも棒読み)
ノエルが苦笑いでカンペを仕舞っているのが、なぜか心に残った。
「そうか。丁度ハートの女王とUNOをやらないといけないことになっていたし、アリスの家はその近場だ。案内してやろう」
ちょっと無理やりアリスの家に行く事が決定した。
ついでにハートの女王にも会いに行く事に。
「そうだ。ハートの王国に行く途中に友人にも会いに行きたい。と、言うわけでストリートに行こう」
ノエルのテンションが上がった。
「ストリート!? じゃあ、エミリーさんも居る!? 会いに行きたいです」
ついでにエリーゼさんのテンションも上がった。
「ストリートに行くの?! じゃあ、途中でヤマネに会いたい! 早速ストリートに行く準備を!」
テンション上がりまくりの、ジャパンのギャル語で「あげぽよ〜」状態の2人に連れられてストリートへ。
そういえば、ストリートとはいったい?