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【不思議】
「それはね・・・。」

智也はそう言ったあと、黙り込んでしまった。

「どうしたの？智也？」

「お前、見えねぇのか？お前の後ろに・・・わぁ！！こっちに来るなぁ！！」

私は後ろを見る。



なぁんだ。

何にもないじゃん。

「ちょっと！智也！でたらめ言わないでよ！！」

そう言って智也の方を見た。



・・・そこに智也の姿はなかった。



「とっ智也！？どこ行ったの！？」

ウチは混乱しかける。

だって、今にも幽霊が出そうな暗い暗い闇の中に１人ぼっちなんだから。


「あははははっ！！」



そんなシーンとしている中、けたたましい笑い声が響く。

この声は、ウチのものでも、智也のものでもない。

ウチは、背中に冷たいものがはしる。

気配を感じ、振り返るとそこには・・・


この学校の屋上でで飛び降り自殺をしたはずの、砂図　麗湖(さず　れいこ)がいた。



「・・・あなたも連れて行くね。あの世界に。」




「なっ！！やめてぇぇぇ！」




「ふーん。行かないんだぁ。行ったらあいつも助けられるかもしれないのになぁ。」



あいつって智也のこと！？


「さぁ、どうする？あの世界に行くか行かないか。」


「それなら行くに決まってんじゃん！絶対にウチが助けてやるんだから！」


・・・フッ


その言葉を言ったとたん、学校からうちの姿が消えた。