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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 九十九怪談 第一回【合わせ鏡】 ( No.6 )
- 日時: 2011/08/14 13:50
- 名前: 斑 (ID: Au8SXDcE)
>>5の続きです
「何でだよ?」
「……怖いじゃん。何かあったら嫌なんだよ」
大野が言い終えると、中野はこう呟いた。
「つまらない奴だな」
中野はランドセルを取って教室を出て行った。大野はその背中に向けて
言う。
「お前も止めといたほうが良いぞ!」
「うるせぇ!余計な御世話だ!」
中野は振り返らずに言うと、もうそれっきり姿は見えなくなった。
◆
中野は午前一時五十分に家から抜け出すと、学校に向かって歩き始め
た。親はもう既に寝ているから、抜け出すことは簡単だった。
中野の家から小学校までは5分で行ける。
(大野の奴……)
ちょっと心細いところもあったが、こんなのに挑戦できない奴は男じゃ
ない!
明日皆に自慢してやろう。
学校に着いた。予想通り学校の中はまだ電気がついて、おまけに校門
まで開いていた。中野は迷わず入ると昇降口に行き、中へ入った。
そして誰にも気づかれぬよう階段を上る。
そして三階——
奥に行くと『倉庫部屋』というのがあった。
中野はそっとドアノブを触る。
カチャ。
よかった。開いていた。
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