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- Re: 【生死ぷろじぇくと】 極彩色硝子 【ステンドグラス】 ( No.22 )
- 日時: 2011/09/26 19:34
- 名前: 生死騎士 (ID: bJHwv4jv)
- 参照: http://w5.oekakibbs.com/bbs/oe-kakiko2/oekakibbs.cgi
ユンの反応につられた様に、少年も微笑を浮かべる。
「お二人はお知り合いなのですか?」
リナリアがその二人を見て尋ねる。
するとユンは彼女の方に向き直り、少年を紹介するように手を広げた。
「こいつは九十九王理。俺の友達で、狗国の学校の首席だ。使う魔法は雷だから・・・フォンと同じか?」
「お前・・・何でも喋りすぎだ・・・。それに俺とお前は腐れ縁に過ぎん。」
王理がユンの紹介に納得いかなかったように、眉間に皺を寄せる。
狗国は他の国に必要最低限の情報しか話さない独特の文化を持つためだ。
彼にとっては、こういう自己紹介の仕方は気に食わないのだろう。
しかしユンはそれを無視して喋り続ける。
「後ろの、大剣持ってんのが棗。氷の魔法を使う奴だ。あとそっちの綺麗な髪してんのがリョウ。」
「ユン。」
このまま行くと喋り終わらなさそうな彼を王理が制止させる。
他のメンバーもこれには慣れっこのようだ。
それぞれため息を吐くなりなんなり・・・という感じである。
王理はユンがこれ以上無駄なことを話さないように話題を変えた。
「ところで、他の国の代表は来てないのか?」
「うーん、その様子だね。」
「まぁ私達が早く出てきちゃったからね。」
そこにフォンが首を突っ込む。
フォンはめったに知らない人と話さない性格なので、ユンは驚く。
そしてなにかに気がついたように「ぽん」と手を打った。
「そーいや、フォンの親ってどっちかが狗の出身だったっけか?」
「うん。父さんが。」
親の出身地の人間ならなるほど、親しみやすいだろう。
場の空気が和らいだ、刹那。
東の空からとてつもない爆発音と、土煙が上がった。
『!?』
王理と棗が、反射的に武器に手をかける。
「まさか・・・敵襲!?」
「そんな、いくらなんでも早すぎます!!」
本を小脇に抱えたリナリアが焦ったような声をあげる。
「とにかく行ってみましょう!」
リョウの一言で、6人はなおも爆音をあげる東の森へと向かった。