ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼が哂う夜。**01up** ( No.4 )
- 日時: 2012/01/05 19:03
- 名前: 水蓮 ◆icIM9e/cy2 (ID: 84ALaHox)
——#02—
「いかれてる、いかれてるよ!!!お前ぇぇぇ!!!」
時刻は午前1…いや2時過ぎだろうか。
明かりもあまり届かない狭い裏路地。
まだ年も若いであろう男の声が悲痛に響いた。
彼の目には、赤い月と…『愛』に飢える殺人鬼しか写っていない。
「いかれてる……??いかれてるのは貴方じゃない…」
大人の雰囲気をしている少女、白柳黒音は言った。
手には、何人葬ったのだろうか…微かに赤く汚れた薙刀を持って。
「また…浮気??どうして……その過ちを繰り返すの…??」
「な…なんだよ!!!たか…たかが浮気じゃねぇか!!!!」
「たかが……??たかが……!?」
彼女の顔は悲しみと怒りで複雑に歪む。
—この苦しみを…私は何度…何度何度何度…
—私の愛を…貴方に尽くす愛を愛を愛を愛を……!!!!
—どうして…男達は…受け入れてくれないの…!?
すぐに表情を変え、男に微笑みを見せた。
「……ごめん、私も…少ししつこすぎたよね…。ごめん」
「い…いや…、もういいんだ。だから…もう……"別 れ よ"??」
その言葉を吐いた瞬間…彼の首と頭は切り離された。
彼女の…人間離れした薙刀の動きによって…。
すべてが一瞬…。本当に一瞬の出来事。
だが、彼女にとっては…愛した彼から紡ぎだされた言葉1つ1つが
何十秒にも、遅れて響いていた。愛する彼の言葉が…ゆっくり耳に響いて心地よかったのだ。
"別 れ る"という…単語が紡ぎ出されるまでは…。
無残に飛び散る彼の血の雨に打たれながら…。
愛に飢える殺人鬼は…、笑った。
「こいつも駄目。私の事全然愛してくれなかった…。
浮気したり…別れるとか言ったり…まじこいつの愛は"偽者"。
けど…たのしかったぁ…。久しぶりに…いい"偽者の夢"が見れた…。
けど…今度は"夢"は嫌だ…。"現実、リアル"の…
" あい "が…欲しいなぁ…。」
03の殺人鬼へと続く…。→