ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 死神は君臨する ( No.105 )
日時: 2011/09/26 20:59
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: Pmy7uzC3)
参照: (^3^)←誰を連想しますか?

 同じ頃、古森家では。
「沙羅ー、早く朝ご飯食べなさーい」
「だ・か・ら!ちょっと待って、て言ったじゃない」
沙羅が二階の自室で着替えをしていた。デニムのパンツとスニーカーソックスはもう履き終わっていて後はあのシャツを着るだけなのだが、これがどうも見当たらない。外に出したままかもしれないな、と沙羅は考えた。それから、数歩歩いて地味な扉の取っ手を握って回した。
カチャリ
小さな音と共に扉が開き、扉に打ち付けてあった看板が揺れた。沙羅の部屋、とだけ黒いペンで書かれている。それより、シャツだ。沙羅は小走りで父と母の部屋へ行き、そこからベランダに出た。朝の空気は清々しく、空から柔らかい陽光が降り注いでいた。遠くから微かに蝉の鳴き声が聞こえてくる。
 ニコちゃんマークのシャツはすぐに見つかった。沙羅は洗濯バサミを取ってからシャツを部屋に取り込み、それを着ながら階段を下りて行った。