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Re: 死神は君臨する ( No.132 )
日時: 2011/10/04 20:01
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: Pmy7uzC3)
参照: 由羽s、ありがとうございます!

番外編Ⅰ「学校」(四分の二)

 一階に下りると、素早くエプロンを着て台所に立ったさわ子が見えた。
「私は朝ご飯の用意をするから、レイカちゃんは着替えとランドセルの準備をしてね」
さわ子に言われ、レイカはボーっとした頭を一生懸命働かせながら、ランドセルに教科書を入れ始めた。——算数、国語、図工、理科。手提げ袋には体操着と上履きを入れ、給食の時に使うマスク等は、リボンの付いた巾着袋に入れた。それが済むと、桐ケ谷小学校の制服を着始める。解けたままだった赤い紐をリボンの様に結び、髪を解かしてツインテールに結いあげる。顔を洗い終わった頃、さわ子がレイカに呼びかけた。
「朝ご飯の用意が出来たから、早く食べましょう。…今は七時十五分だから、三十分以内に食べてね」
「はいはーい」
大きな声で返事をしてから早速、いつもの決まった席に着いた。目の前にはコーンスープやサラダやこんがりと焼かれたパンが置かれている。レイカはさわ子に促され、両掌を合わせた。
「いただきまーす」
「いただきます」

 朝ご飯を平らげ、歯磨きをしてからランドセルを背負う。今日のランドセルはいつもより少し軽い、という事にレイカは気付いた。手提げ袋を持って玄関に進み、しゃがんで厚底の靴を履く。後ろには私服姿のさわ子がいた。
「レイカちゃん、気をつけていってらっしゃい。本当に忘れ物は無いんだよね?」
さわ子が強い口調で言った。
「うん、大丈夫。じゃあ行ってくるね」
レイカは明るく言うと、玄関の扉を開けて外に出て行った。