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Re: 死神は君臨する ( No.149 )
日時: 2011/10/15 15:23
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: Pmy7uzC3)
参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm

誰も口を開こうとしなかった。いや、開こうとしても開けなかったのかもしれない。それほど、この場の空気は重かったのだから。みるくが苦しそうに息を吐き、何か言いかけたその時、少し離れた場所に植わっている山桃の木の陰から、誰かが出てきた。公園に居る少女全員がそちらに目を這わせ、そろって驚愕する。
 そこに立っていたのは——北城レイカとエリカ、そして仲川さわ子だった。
「レイちゃん…どうしてここに?後、隣に居る二人は…」
みるくが小さな声を出す。それに気付いたレイカが、透き通るような声で囁いた。
「みるく、前からあなたの行動が気になっていたの。尾行も何もかも、前から知っていたわ。——さすがは闇と沙羅ね。私が犯す殺人の理由、見抜けたんでしょう?」
レイカに問われても、沙羅は答えなかった。…目がさわ子に釘付けになっていた。
「さわ子…なの?」
沙羅の声が震えていた。レイカの後ろに立っていたさわ子が、小さく頷いた。
「ええ」