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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 死神は君臨する ( No.164 )
- 日時: 2011/11/30 21:14
- 名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)
- 参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm
後ろを歩いていたエリカが、不思議そうにレイカを見つめる。
「何かあったなのですか?」
「エリカ、正樹と勇樹にあの話を聞かれていたわ。一部分だけだけどね」
レイカが低い声を出すと、エリカは可愛らしい顔を強張らせた。
「どうすれば良いのでしょうか——」
「今、みるくに言った時と同じように、全てを話すわ」
レイカはそう言うなり、トボトボと先を歩く二人の少年に向かって駆け出した。
「お姉ちゃんッ!?」
姉の突然の行動にビックリしながらも、エリカは走り出した。すると、すぐにレイカに追いついた。
「ちょっと待って!」
レイカが腕を横に大きく広げ、正樹と勇樹の前に立ち塞がった。
「うわっ、北城……」
正樹が驚いて、後ろに半歩ほど下がる。勇樹はレイカとエリカを順に見比べていた。
「あれ……北城が二人?」
「私はレイカお姉ちゃんの双子の妹、エリカなのです。お二人に大事なお話があるのです!」
エリカは強い口調で言うと、自信なさげにレイカを見つめた。レイカはエリカからの視線を感じて、ゆっくりと二人に話し始めた。
「二人は、私達の話を、どこまで聞いたの?」
美砂は二階の自分の部屋に入るなり、おそらく取り込んだばかりであろうふかふかの布団に倒れこんだ。
「私だって、信じてるよ——」
開口一番、不満の声を漏らす。ついさっきまで公園で気まずい話をしていたので、気分も鉛のように重くなっていたのだ。——勿論、身体の方もそうだった。
「でも、北城アカデミーに挑むなんて…無理に等しいよぅ」
悲しげな声で呟き、刺繍が施された布団に顔を埋める。
「私には、到底ムリ——」
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