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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 死神は君臨する ( No.176 )
- 日時: 2011/10/29 13:42
- 名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: Pmy7uzC3)
- 参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm
いつしか太陽は地上を明るく照らし、やがてその名残を残しながら、桐ケ谷の空を暗闇に染めていった。
「私の娘が、大事な四天王を殺したというのは本当か?」
北城アカデミーの奥の、またその奥深くの部屋。北城龍之介と一人の男が、何やら話し込んでいた。
「ええ。そのようです」
男はそう答えると、長身の天辺の、髪が綺麗に剃られた頭を下げた。
「そうか——まあ、いい。受けて立とう。玄次」
龍之介が低い、低音の声を発すると、玄次と呼ばれた男はびくりと身体を震わせた。
「なんでしょう?」
「明日の夜、死神作戦を実行する。お前が指揮を取れ」
「…!はい」
玄次は震える声で返事をすると、逃げるように部屋を出て行った。
「…」部屋に一人取り残された龍之介は、無言でポケットから写真を取り出した。古びた、十代くらいの男の子五人と女の二人が笑っている写真だ。
「愛理、麗衣…」
龍之介は悲しげに呟くと、口をぎゅっと引き結んだ。両者にとって負けられない戦いが明日、幕を開ける——
第九章・完
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