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Re: 死神は君臨する【クライマックスも間近!】 ( No.184 )
日時: 2011/12/01 19:57
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)
参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm

番外編Ⅰ「学校」(四分の四)

 退屈な算数の授業を黙って過ごすと、今度は二時間目の体育の準備をしなければならない。レイカは二組の教室に算数の教科書を置くと、今度は体操着の入った袋を掴んで女子更衣室に向かった。
「ねえ、レイカちゃん、好きな人って秋山兄弟のどっちかでしょ?」
クラスメイトの相田美智子が突然、そんな事を言った。
「えっ…なんで知ってるの?」
レイカが慌てて聞くと、美智子は得意満面の笑みで答えた。
「だって、秋山兄弟を見るレイカちゃんの目、なんか普段と違うんだもん」
美智子は「違うんだもん」の部分を強調して言うと、「ねえ、どっちなの?」と聞いてきた。
「うん…えっと、私は——の方が好きなの」
レイカは恥ずかしそうに言ったきり、俯いてしまった。

 体育と国語、図工の時間を飛ばして、五時間目の理科の授業の時間——。
理科室の決められた席に座り、レイカは教室中を見まわした。正樹と勇樹は、遠くの席に座っている。何日も見た光景のはずなのに、レイカにとっては辛いことでしかなかった。
「——正樹。」


番外編Ⅰ「学校」・完