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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 死神は君臨する【参照1000突破★】 ( No.242 )
- 日時: 2011/11/30 21:22
- 名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)
- 参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm
そして、視界の中に沙羅達を映すと、「きゃッ」と一声あげて後ずさった。
「あの……あなたは?」
恐る恐るエリカが聞くと、その女の子はおもむろに口を開いた。
「——藍原愛理、十歳」
それから、エリカに向かって質問を投げかけた。
「あなた達は?」
「私は北城エリカ。こっちが私のお姉ちゃんのレイカで、その隣にいるのは秋山正樹。それから、後ろに居るのは沙羅と恵美と美砂とみるくよ」
エリカは一通り話し終えると、改めて女の子——藍原愛理の顔を見つめた。だから、その顔が驚愕に満ち溢れていたことは、一瞬で分かった。
「もしかして……北城龍之介の娘……なの?」
藍原愛理は信じられない、という風に呟くと、エリカの言葉を待った。
「え、ええ。そうよ。私とレイカお姉ちゃんは北城龍之介の娘よ」
エリカが戸惑ったように答えると、藍原愛理は安堵の溜息をついた。
「良かった。じゃあ、そこに落ちてる鍵を持って来てくれないかしら?」
「鍵?……ああ、これね」
エリカは自分の足元に落ちていた鍵を取ると、「これがどうしたの?」と藍原愛理に聞いた。
「良いから、持ってきて」
藍原愛理はそっけなく答えると、こちらに向かって右手を伸ばした。
「じゃあ……はい」
エリカは藍原愛理に鍵を渡し、様子を見守った。よく見ると、藍原愛理の左腕は、天蓋付きベッドの柱と鎖でつながれていた。どうりで、鍵を欲しがった訳だ。愛理がいくら手を伸ばしても、鍵は届かない位置にあったのだから。
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