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Re: 【第一章Ⅱ】死神は君臨する【更新★】 ( No.26 )
日時: 2011/09/02 21:17
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: Pmy7uzC3)
参照: http://ja.uncyclopedia.info/wiki/

 学校の帰り道——
空はまだ、薄い水色をしていた。白い綿菓子みたいな雲も、海で泳いでいるかの様にたなびいていた。
そんな空を見つめながら、レイカは重い溜息をついた。学生にとって学校から自宅への道が長ければ長いほど憂鬱な気分になるが、レイカの家はこの角を曲がってしまえばすぐについてしまう。宿題だって簡単に出来るものばかりだし、嫌な事があったわけでもない。しかし、レイカは知っていた……この憂鬱な気分の原因を。
 背後で声がした。登校時に出会った少年達だ。何を喋っているのだろうか。思わず耳を傾けてしまった。

「昨日の夜の殺人事件の事、ニュースで見たか?」
「あー、それしってる。なんでも、殺し方が残虐そのものなんだってね」
「そうそう。一度目は包丁が胸に刺さったまま倒れてて、今回は鉈で体をバラバラに…」
「うそっ!怖ーい!」

少年達が遠ざかっていく。それに従って声も小さくなっていった。レイカは耐えきれなくなって、逃げるように走り出した。自宅の玄関の前に立つと扉を勢いよく開ける。