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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【プロローグ】死神は君臨する【更新★】 ( No.8 )
- 日時: 2011/09/02 21:14
- 名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: Pmy7uzC3)
- 参照: ttp://ja.uncyclopedia.info/wiki/
—第一章 昼の顔—
いつの間にか夜が明けて、東の空に太陽が昇ってきた。路上でもサラリーマンの姿がちらほらと見え始め、片手に携帯電話を握りしめながら歩み去っていく。そのうち、小学生の集団までもが学校へと急ぎ始めた。
そんな、いつもの朝——
街の片隅にある可愛らしい一軒家の扉が開いて、中からツインテールの少女が飛び出してきた。年齢は十歳前後だろうか。夏用の制服に身を包み、背中にピンクのランドセルを背負っている。
少女——北城レイカが、唇の端を上げてにこっと微笑んだ。ついで、深呼吸する。
「——いってきまーすっ!」
そう言うなり、元気に通りを駈け出して行った。曲がり角に差し掛かると、行く手に同じ制服を着た少年や少女が歩いていた。レイカもその集団に混じり、学校への道を辿り始めた。
桐ケ谷市立桐ケ谷小学校——
六年前に出来たばかりのこの学校は、まだ新しい四階建ての校舎とパステルブルーの制服を来た生徒達が目印だ。正面から見える時計は、今は八時十分を指していた。登校してくる生徒の数が最も多い時間帯だ。そのせいか、この時間はいつも正門が全開に開いている。これも、普段と変わらない情景の一つだった。
レイカは、両腕でお菓子の入った袋を庇いながら、人の群れの中を進んでいった。ようやく学校の敷地内に入り、校庭の周りをぐるっと歩いてから、校舎の中へと入っていく。レイカが昇降口で靴を脱いでいると、クラスメイトの少女が喋っている声が聞こえてきた。
「——でね、昨日、ここら辺で二度目の殺人事件があったらしいよ」
「えー、本当?」
そう言って、楽しそうに笑う。
——しかし、レイカの表情は明るい笑みからかけ離れたものとなっていた。
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