ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 死神は君臨する ( No.99 )
- 日時: 2011/09/19 15:14
- 名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: Pmy7uzC3)
- 参照: 学校が始まりました…大変だー!!
マス目だけの入った、文字の書かれていないページまでめくると、みるくは手を止めた。これだけの日々が紙の一枚一枚に記されているなんて考えにくい事だけれど、あの日は、確実に文字として残っている。頭の片隅に浮かんだ考えを振り払う様に、みるくは頭を振った。それからペンケースに手を伸ばし、お気に入りの鉛筆を取り出した。
7月16日(土)
今日は土曜日。いつもは休みなんだけど、今日は、学校へ行った。だって、授業参観の日なんだもん。朝はいつも通りって感じで、保護者はまだ来てなかった。昇降口でレイカを見つけて、ちょっと抵抗があったけれど話しかけてみた。「こらぁっ、みるく!」って怒られたけど、後は無視されてしまった(;_;)
さて、放課後。昨日と同じメンバーでまた、例のアレをやった。いつもは明るい恵美や美砂は珍しくオドオドしていて、ちっとも怖がらない私にびっくりしていた。闇は平然とした顔で携帯電話をいじっていた。ランドセルを背負ったレイカが家に帰るまで見送って、出てきた所でつけ始める。ゴスロリ服は不幸の前兆だろうか。今日も着ていた。その後、レイカは公園で金髪の男の人を惨殺した。鉈を使って、ためらう事なく。
帰り道、美砂が今にも泣きそうな顔で歩いていた。恵美が必死に励ましていたから良かったけど、もし泣いてたら見つかるところだった。レイカはそのまま家に帰って、もう出てこなかった。私達が帰ろうとした時、背後に気配を感じて振り返ると、桃色のロリータ服で髪をそのまま垂らしたレイカが居た。いや、そっくりな子かもしれない。どっちかは分からないが、とにかく走ってその場から離れた。
「どっちかは分からないが、走ってその場から離れた。」
最後の一行を書き終えると同時に、その文を読み上げた。これで、レイカに双子の妹が居ることが証明された。闇の言っている事が本当だと分かったのに、複雑な気持ちでみるくは窓に歩み寄り、空を見上げた。
月が、輝いていた。