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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 呪蝶屋 ( No.8 )
- 日時: 2011/08/12 14:18
- 名前: 夜湖 (ID: JkVnDcbg)
「ここは…アメリカ…?」
「…雷葉、父親以外にアメリカにいる知り合いはいる?」
「いない。」
蝶が下へ降りて行った。私達も後に続いた。
「呪怨、空から降りて来て不審な人と思われないのか?」
私に聞いたみたいだけど、ルナが答えた。
「その心配は必要ないわ。呪怨は恨みを持つ人にしか見えないから。
魂封じの時は、恨み持つ人間にも見えないように魔法をしているけど。私も魔法をしているの。」
「良く解んない…。…じゃあ僕は?」
「雷葉は『呪蝶屋』を出る前に、私と契約をしたから人間には見えないわ。」
雷葉の方を向いた途端、私は何故か「あの人」を思い出した。
…もうとっくに諦めたはずなのに…。
「…あ!」
「どうしたの?」
「僕の…父親が…。」
雷葉の指さす手が震えていた。そこには、女性と一緒にいる男性がいた。あれが、雷葉の父親なのかしら…。
「酷い…。…母さんがいないからって…。」
「パリィィン…。」
商店街のガラスが割れた。もしかして、これは…。
「呪怨、これは何なの!?」
「恨みの…力よ。恨みが限界を超えているわ…!」
———早く魂封じをしないと雷葉が壊れてしまう!
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