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Re: 呪蝶屋 ( No.9 )
日時: 2011/08/12 14:19
名前: 夜湖 (ID: JkVnDcbg)

「罪を重ねる罪人よ。恨み晴らし、魂封ずる。…魂封蝶呪!」
私は咄嗟に呪文を唱えた。すると…。
「ぎゃあああぁぁ!」
雷葉の父親が悲鳴を上げ、苦しみ出した。雷葉の父は赤い蝶の中に吸い込まれて行った。
父親の叫びで目が覚めた雷葉は、その声で顔を歪ませていた。
「呪怨…聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「良いわよ。何かしら?」
蝶をビンに入れ、真っ赤なコルクで蓋をした。そして雷葉を見る。
「毎回こんな叫びを聞くことになるのか?」
「ええ。でも今は急いでいたからまだマシな方よ。
 いつもなら全身バラバラの刑とか、毒死の刑の後に魂を封じるの。」
私は淡々とした口調言ったが、雷葉はさらに顔を歪ませた。
「何でも慣れよ。さあ、呪蝶屋へ戻りましょう。」
雷葉のやる気が本気が確かめるため、「慣れ」という言葉を強調した。
顔を青くさせたが、目は「やるしかない」と言っている。本気ということね。
私はワープの呪文を唱え、1秒後には全員呪蝶屋へ戻っていた。