ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 怖い話 ( No.31 )
日時: 2011/08/16 19:32
名前: 姫更 (ID: 19CtFRjf)

♯5  ドアを叩く音


私はある会社員。

会社の都合で明日から1日だけ大阪のホテルに宿泊しなければならなかった。

いわゆる出張だ。

一緒にお茶してる友人にそのことを話すと、

「ねぇ、しってる?そのホテルって、『出る』らしいよ」

「やめてよ。私、そういうの苦手なんだからぁ!」

やだ、あんたのせいで怖くなっちゃった。

でたらどうしよう・・・






いよいよこの日が来た。

その日の仕事を終わらせ、私は眠りについた。

夜中の2時頃、ドアを叩く音で目が覚めた。

「ん・・・・」

だれ?ホテルの人?

ううん、ちがう。ホテルの人がこんな夜遅くに来るわけない。

ドンドンドンッ

ドアを叩く音はどんどん激しくなっていく。

こ、怖い・・・。幽霊だ。

私はとりあえず布団に入り、目をかたく閉じた。

朝早いのが何よりの救いだった。

さっさとしたくをして、部屋からでていった。




「あー、怖かった」

友人に話すと、

「あのホテルは昔火事があったんだって。たぶん逃げ遅れた人の幽霊だったんじゃない?」

「そうかもーー。あー、ドア開けなくてよかった」

「え?なんで。そいつは部屋から外に出たくて中からドアを叩いてたんでしょ?」




END