ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼岸花の花冠(オリキャラ募集!) ( No.11 )
- 日時: 2011/08/14 16:50
- 名前: いさと ◆o4wie.Wyc. (ID: abkT6QGo)
『第一章 狂った歯車はもう元には戻らないでしょう』
第一話 Misa side...
ふと、目が覚める。気づくと私の体全身が汗ばんでいた。外はまだ日が登っていない。中途半端な時間に起きてしまった、と深いため息を一つ。
「また、あの夢。しばらく平気だったのに……。もう、そんな時期なのかな」
この時期に決まってみる夢……。それがあの孤児院で起こった火事。今でも思い出す血のように赤かった煙。蛇のように追いかけてきた火と煙の中、ジェダイと必死で逃げてきた。他の子達がどうなったかはわからない。私が知る中で生き残ったのは私を除いてジェダイとコスタぐらい。
「あの火事が起こったのは今の時期ぐらいだし……。本当にあの時は辛かったなー」
部屋には私だけなのでものすごい独り言。でも、なにかしゃべってないと気が収まらなかった。
私とジェダイは火事の後、ここの軍に拾われた。そして厳しい訓練に耐えて、20人いるエージェントナンバーズ、通称ANまで上り詰めた。軍の中で特に強い力をもつANは小隊を率いて戦う。
……つい、いろいろ考えていると日が登ってきた。私はベッドから降りて、軍服に着替える。少し
暖かくなってきた今の時期、つまりは春。私は長袖のコート、動きやすいようにミニスカの軍服に着替える。色は黒。なのであの“通り名”がついたのだが……。
「ミサ、起きてるか?」
「ジェダイ! おはよう、もう着替えたよ」
そういうと、ジェダイは入るぞ。と言ってドアを開ける。そして部屋に入っていきなりの一言。
「長から直々に指令がきた。これから出撃するぞ」
「……へ?」
私はいきなりで目を点にする。いや、朝からの出撃は珍しくないが、必ず事前に作戦会議をする。
なのに、朝起きていきなり……。しかも長直々に指令とは。
「ジェダイ、いきなりで何も私わかんないんだけど……? そもそも作戦会議とか……」
「俺もさっき急に聞かされた。とりあえず現地集合だそうだ。お前の部隊と俺の部隊。それにいくつかの部隊にも出撃してもらう、と長が言っていた」
「な、ななな何するのかな……。長直々とかすごく緊張するよー!」
一番偉い人が部下直々に指令とか……! どうしよう、本当の本当に緊張する……。
「とりあえず、準備しろ。お前の隊の奴らには俺が言っておく」
「了解。じゃあ準備するね」
私は敬礼して、部屋を出るジェダイを見送る。私は愛用のライフル銃と狙撃銃をリュックに入れる。そして隠し武器として愛用のコンバットナイフを懐に。そして弾丸を予備も含め多めに入れる。
「よし……行こっ!」
私は慌ただしくドアを開け、リュックを片手に飛び出した。