ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼岸花の花冠(まだまだオリキャラ募集中!) ( No.25 )
- 日時: 2011/08/16 16:51
- 名前: いさと ◆o4wie.Wyc. (ID: I3lm3qcr)
第四話 Yakumo side...
海が見える。青くて、藍くて、綺麗な海。そこに一人の少女が海を眺めていた。
ここは北の補給路。海に近い場所に補給基地がある。
「戦争をしているのに……。海はこんなにも綺麗なんだ……」
ハーレーンは海を眺めていると、砂浜に綺麗な貝殻を見つけ、手に取る。
「(イブキにあげよう。……こっちはルリに、こっちはヤクモに……。ヒスイにも……)」
夢中になって貝殻集めに没頭していたその時、鼓膜が破れるかと思うくらい大きな爆発音が補給基地から聞こえた。
「……敵!?」
ハーレーンは持ってた貝殻を手放して、補給基地を見る。
「ハーレーン様! 人間……AN共が押し寄せてきました!」
「……わかった。僕が前線にでる。君たちは援護を」
「はっ!」
ハーレーンは身を翻し、すぐさま補給基地へ向かった。
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AN側。何人かの偵察兵が報告をしているようだった。
「No15様、爆弾設置完了いたしました」
「へいへい、ご苦労。あ、あの弾丸ある?」
ANo15。見た目、40代前半の男性。良くいえば“ちょい悪オヤジ”が当てはまる人物だ。
「“BG003”ですね? 用意してあります」
「ロジーヌ姐さんの本気……見せてもらいましょうかねぇ」
そう言うとNo15は“BG003”という弾丸……砲弾に近いものをオリジナルの武器である見た目重さ100kgありそうな銃にいれた。
「No15様、アレース10ノ神『闇の獣龍』確認しました」
「ほー。『闇の獣龍』ねぇ……。前線にでてんのか。とりあえず、前線にでてる奴らをどかしてくれ
」
「了解しました」
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『闇の力よ……。我声に耳を傾け、其の力をしばし貸し与えん……!』
ハーレンが術を唱えると、辺り一面が闇に覆われた。そして……
『シャドウインパクトッ!』
術と共に隕石を催す黒い塊が落ちてき、人間を闇の中へ落とした。
「……分かるよね?君達は奈落に堕ちるべき者だということを……」
ハーレンはそう言って、もう一度術を唱えようとした。その刹那……。
「…………なッ……」
ハーレンの肩に鋭い衝撃が走る。通常の攻撃はすぐに回復する。だが、この攻撃は……
「おっ! 効いてる効いてる! ロジーヌ姐さんに報告しなきゃなぁ」
「人間……! 何を……っ!」
「さてと、獣龍族のアレース10ノ神さん。あんたの部隊全滅したくなかったら引くべきだよ?」
「(頭がボーっとする……どうしよう……)」
ハーレンはその場にうずくまった。肩にくらっただけなのに、なぜ……。
「ハーレン様!」
「皆…引い、て……。殿は僕が……!」
「そんな! ダメです! あなただけでも逃げてください!」
「……っ!」
ハーレーンは声を出そうとしても、声がでない。そして体も動かなかった。
「(肩をやられただけで……。人間……何を作ったの……?)」
「とりあえず、逃げ」
獣龍族の兵士がハーレーンを担ごうとした瞬間。
ドォォォン……と、爆発音が響き、ハーレーンと獣龍兵達は巻き込まれ、肉片が飛び散った。
「こちら、No15。はい、補給基地を破壊しました。あ〜、ロジーヌ……No22に言っといてください。『BG003は成功した』……と」
