ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼岸花の花冠(まだまだオリキャラ募集中!) ( No.28 )
- 日時: 2011/08/17 00:24
- 名前: いさと ◆o4wie.Wyc. (ID: I3lm3qcr)
第五話 Yakumo side...
誰かの声が聞こえる。起きようとしても肩が痛い。というか全身が痛い。それでも誰かが必死で叫んでいる。だから必死で目を開けてみた。
「ハーレン……! しっかりしろ! ハーレーン!」
「……ぁ…………イ、ブキ……? ル……リ……?」
「ハーレーン……! よかった、目がさめて……」
ハーレーンはイブキに抱きかかえられていた。そばにはルリもいる。ここはどこだろうとハーレーンは目で辺を見回した。それを悟ったのか、イブキが
「浜辺だよ。爆発に巻き込まれたんだ」
「……み、なは…………?」
「……死んだ。お前は闇の力だから殆ど無害で済んだんだ」
「びっくりしたのよ……。あなたの意識が一瞬途切れたから……」
「っ! ……ごめ、なさ……! 皆を死……せて……! ほきゅ、ちも守れ、なく……て」
ハーレーンの目から涙がこぼれ落ちた。ただ、悔しかった。兵を守れなかったこと。イブキが信頼して一人で任せてくれたのに、結局補給基地を守れなかったこと。
「いいんだ……! お前を一人にして悪かった、ハーレーン……。……本拠地まで運ぶからしばらく休め。目を閉じたら自然に眠くなるから……」
イブキが優しく言う。そしてハーレーンはか細く返事すると、そのまま眠りに落ちた。
ハーレーンが眠ったのを確認すると、ルリが怒りに満ちた声で言う。
「人間達……! ハーレーンにここまで深手を負わせるなんて! それにいつのまに爆弾なんか仕掛けたの!?」
「ハーレーンが見落とすなんてへまはしないはずだ。……人間達は新たな兵器を作ったってことだな」
「私たちにもバレないように爆弾を仕掛けられる兵器!? なにそれ……。はぁ、勝ち目なんてあるのかな? この戦い……。王は何を考えて」
「王の考えを否定するな。……俺たちは王のおかげで生かされてるんだ…………」
「そう、だけどさ……」
ルリが納得いかないように言う。
「そろそろ戻るぞ。ハーレーンを手当しないと。それに、ヤクモの馬鹿が心配だ」
「そうね、絶対抜け出してるよね。ヤクモのことだし」
二人はそう言うと、風のように地をかけていくのだった。
(今回は二本立てなので短いです>< すみません!)