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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼岸花の花冠 ( No.3 )
- 日時: 2011/08/11 23:50
- 名前: いさと ◆o4wie.Wyc. (ID: 9hHg7HA5)
『序章 変えた歯車』 (Yakumo side...)
—ヤクモ! 危ないッ!
その刹那、血飛沫が飛び俺の顔にかかる。
彼女は倒れ込む。血が止まらない。血が止まらない。チガトマラナイ。
幼い小さな体が深紅に染まる。
「クレア! クレア、しっかりしてくれ!」
俺は半泣きになって倒れたクレアの手を握る。
「誰が……クレアを襲ったのよぉ!?」
ルリが泣き叫ぶ。だが、今の俺にはそんなことよりクレアが死んでしまうんじゃないかと気が気でならない。
「医者を呼びたいが……こんな森の奥にはすぐ来てくれないだろうな……」
イブキが悔しそうに手に力を込めて言ったのがわかった。
そうだ、俺たちはただ森に遊びに来ただけなのだ。それなのに、どうしてクレアが血を流して倒れたんだ?わけが分からない。
「ヤ、クモ……」
「クレア!? ダメだ、しゃべったら傷口が!」
「いいの……ヤクモ、そのまま聞いて」
クレアは血を吐きながら必死俺に伝える。
「わた、し……ヤクモや……皆にあえて…幸せだった……。こんな……ことにな…るな、ら伝えと、けばよか…た」
言葉がとぎれとぎれになりながらクレアは俺の目をまっすぐみて話す。
「私、ヤクモのこと大好きだったよ」
そう、涙を流し笑顔でクレアは逝った。
キミが俺の運命を変えた。
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