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Re: 《インフィニティ・オンライン》 ( No.11 )
日時: 2011/08/18 22:57
名前: 神凪夜草 ◆Upy4wcs9SI (ID: 4CT2wXi/)

 個人プレイは買ってすぐに出来るのだが、全国のプレイヤーが集まり同時に攻略するプレイは、発売されてから2日後の正午となっていた。
 友達と一緒に始めたい、というプレイヤーも多いらしく2日間ゲームを我慢する人も多かったが、俺はとても我慢できなかった。
 買ってすぐ、自分の部屋に戻り部屋の鍵をしめ、プレイを開始する。
 《イン・ワールド》に《インフィニティ・オンライン》の小さなソフトを差し込み、電源を付ける。
 視界が暗くなり、暫く経つと視界が光に包まれる。それが収まると、『プレイを開始しますか?』という文字が表示された。

「はい」

 こういうコマンドは、基本的に口に出して行う。肯定のコマンドはイエス、だとかオーケーとかでも良いらしい。俺ははい、としか答えたことがないけど。
 すると画面が切り替わり、真っ黒な空間に立たされる。視界だけではなく、『立っている』という感覚がある。
 『名前を入力して下さい』という表示が現れ、俺は他のゲームでも使っている名前にすることにした。
 レイン。
 由来は、俺の名前の雨ヶ原竜星(あまがはら りゅうせい)の雨からだ。安直だとは思うが、この名前には結構愛着がある。 
 入力が終わり、表示が消える。
 しばらくすると、『キャラクターを構成中』という文字が出る。このゲームは自分でキャラクターを作れない。自動的にシステムがキャラを作ってしまうのだ。不細工だとかにならなければいいんだけど。『キャラクター構成が終了しました』という文字が現れたと思うと、目の前に鏡が現れた。
 鏡には、175㎝くらいの背の少年が映っていた。と言うか、モロ現実の俺だった。何でこっちの世界でも同じなんだよと、少しガックリしつつも次に進む。
 

 この世界には魔法、銃が存在しない。あるのは剣と弓矢だけだ。勿論剣と弓矢にも色々種類がある。このゲームは最初に武器を一つだけ選べる。それを使い、暫く進んでいくことになるらしい。つまり、ある程度ゲームを進めない限り武器を変更することは出来ないのだ。慎重に決めなければ。
 選択肢にあるのは、『片手剣』『大剣』『太刀』『槍』『ハンマー』『弓矢』 だ。
 片手剣はスピードと連続攻撃、空いた手で盾を持てるのが特徴。大剣はスピードを引き替えにした攻撃力が特徴。太刀は間合いが広く応用が利き急所に当たりやすいのが特徴。槍は太刀と同じく間合いが広く、ヒットアンドアウェイが出来るのが特徴。ハンマーは大剣と同じくスピードを犠牲にした威力が特徴。尚、鍛冶屋、武器屋になるためにはハンマーを選択する必要がある。最後に弓矢。遠距離から連続で攻撃できるのが特徴。
 俺は武器の説明を見た後、一つ一つ試しに手に持って振ってみた。片手剣は一発一発が軽くて合わなかった。大剣とハンマーは重すぎて使いにくかった。どうせ闘うなら剣で闘いたいので、弓矢は除外。後残ったのは太刀だけだ。
 握ってみると、丁度良い重さだった。軽すぎず、重すぎず。振ってみてもしっくりきた。
 
「よし」

 俺は太刀を選択することに決めた。
 その後、ゲームの説明などが表示され、ついに『ゲーム開始しますか?』というコマンドが表示された。
 俺は緊張に喉を鳴らしながら、肯定のコマンドを入力した。
 次の瞬間、目の前が光り出し、視界が白く塗りつぶされる。その中で、俺の目の前にとんでも無い物が表示された。

『あなたは選ばれし十人の1人です。特殊なスキルや武器がレベルアップする事現れます。そのほかにも、通常プレイヤーよりも経験値が入りやすいなど、様々な特典があります。それらは自分の目で確認してみて下さい』

 その表示が消えると、次の文章が現れた。

『ようこそ、インフィニティ・オンラインへ』