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Re: 《インフィニティ・オンライン》 ( No.14 )
日時: 2011/08/18 23:39
名前: 神凪夜草 ◆Upy4wcs9SI (ID: 4CT2wXi/)


 雲が浮かんでいる現実と変わらない青い空の下、中世的な作りの建物が並んだ街が広がっていた。NPCが店を開いていたり、買い物をしており活気に溢れている。街の中央には大きな噴水が設置されており、透き通った水が噴き出していた。
 俺はまるで外国に観光に来ているような気分になり、思わず周りをキョロキョロと見回してしまう。

「リアル過ぎるだろ……」

 実際の建物を参考にした、とか説明されていたけどこれはそんなレベルじゃないぞ。ここが外国だと説明されても信じられてしまう。
 《始まりの街》と名付けられていたこの街は、名前の通り全てのプレイヤーのスタート地点だ。
 しばらく街を眺めていた俺だが、2日後に始まる協力プレイに備えて経験を積んでおかなければならない。協力プレイでは残念ながら1人プレイとは別物で、最初に設定した状態からでしか始められない。だけど、ステージやアイテムの配置、モンスターなどは双方同じように設定されているため、この二日間で経験を積んでおけば他のプレイヤーと大きく差を付けることが出来る。それに、選ばれし十人というのもきになるしな。
 俺はまず自分のステータスを見てみることにした。

「レベル1、装備は《始まりの防具》でblock(防御力)が4、武器が《レストブレイド》でattack(攻撃力)が5か。バリバリ初期装備だなあ。今のところ変わったところはないな。ん?」

 ステータスの隅に、スキル欄というものがあった。この世界の重要な要素のスキル。スキル欄を開いて中を覗いてみる。
 合ったのは《身体スキル》と《ソードスキル》の二つだ。経験を積んでいく事に《鍛冶スキル》や《釣りスキル》と言った具合に増えていくらしい。噂では、《オリジナルスキル》という隠されたスキルがあるらしい。今のところ、説明書通りだ。
 俺が自分のステータスを眺めていると、後ろから誰かに肩を叩かれた。振り返ってみると、白髪の老人が立っていた。
 どうやら最初のイベントらしい。