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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- フクシュウ ( No.5 )
- 日時: 2011/08/17 09:45
- 名前: ★逢夢☆ (ID: 2ft.mOaW)
第1章 #2 昨日
SIDE香苗
「だって、香苗は走っちゃいけないんだよ!?それなのにどうして、陸上記録会で800メートル走に出るって言ったの!?」
「葵には関係ない!!」
あたしたちはこうやって、もめあいをしていた。
あたしは、昔から走ると発作を起こす体質であんまり走っちゃだめだって言われてた。
でも、今は違う。
走らないといけないんだ。
葵に勝つためにも——…
「だから…葵は香苗のことが心配なんだよ…!!」
「…っ!!」
こうやっていつもいつもあたしのことばかり気にかける葵がウザくなった。
周りからは親友、親友って言われてるけどそんなにあたしは葵が好きじゃなかった。
勉強も、運動も、小学校低学年のころはそんなに差がなかったのに、大きくなるにつれて葵の方が先を行くようになった。
そんな葵が憎かった。
小学2年から知り合ったあたしたちは、趣味があったかなんかで仲良くなり始め、親友までになった。
でも今は——…
「葵はいつもいつもそう。あたしのこと心配だとか言っていい子ぶってる!何?あたしへの当てつけ?あたしよりあんたの方が何でもできるって言いたいの?」
「なっ…そんなんじゃないっ!!」
「もういい!!あんたなんか…絶交よ!!!」
そう言って、あたしは葵との縁をここで最後にした。
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