ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: GUARDIANS 感想・ご意見どんどんお願いします! ( No.14 )
- 日時: 2011/09/09 22:49
- 名前: ホッケ ◆.Nrl/mk7Fw (ID: XL8ucf75)
- 参照: 今日の一言「テスト前? そんなん知るか!!」
第3章≪負渦—ラビリンス—≫③
「北野。ゴーストが戻ってきました」
北野の腹心、吾妻秀二がゴーストを連れて北野のいる部屋に入ってきた。
「ああ。ご苦労だったな、ゴースト」
北野はゴーストを労ったが、肝心の本人は苛立ちもあらわにソファにどっかりと座り込んだ。
「ゴースト、貴様—」
吾妻がその傲岸不遜な態度に色をなしたが、北野は手で制した。
「ゴーストは俺たちの部下ではない、同士だ」
吾妻は不満そうにゴーストを睨んだが、おとなしく引き下がった。
ややあって、ゴーストが口を開いた。
「………作戦は?」
「ああ、いよいよ実行のときだ。多少の変更はあるが問題ない。俺たちの目的は1つ。東京の壊滅だ」
北野は興奮した面持ちで言った。
吾妻の顔には緊張の色が宿るが、ゴーストは無表情を貫いていた。
「だがしかし、その前にやらなければいけないことがある」
「…………奴か」
ゴーストが初めて表情を動かした。
「私達を追っているという謎の男か………彼は今どこに?」
吾妻がけている眼鏡を上げる。
「奴は今、ここに向かっている」
「ここに……!?」
「ああ。俺たちはここで奴を迎え撃ち、その後にオペレーション・アカツキを成就させる」
「…………奴は俺に任せろ」
ゴーストが銃の安全装置を外した。
「分かっている。だが奴が単身で来るとは限らない。木島と部下達も迎撃に当たるからな」
「………好きにしろ。ただし奴は俺が殺す」
ゴーストは文句は受付けないと言う風に、足早に部屋を後にした。
「………北野。奴は危険すぎます」
ゴーストが部屋から出て行ったタイミングで吾妻は北野に訴えた。
「……かもな。しかし奴がいなければ計画の実行は出来なかったことも事実。とはいえ、俺もゴーストを野放しにするつもりは無い」
北野は吾妻に不敵に笑いかけた。
「……………」
計画実行するためのゆるぎない信念。
吾妻は北野の表情から、それを読み取っていた。
「俺だアレックス。今倉庫に到着した」
ドラム缶の陰に隠れながら、天城はアレックスに連絡した。
『確認した。岬のオッサンも直に来る』
「そうか。中にいる敵の人数は分かるか?」
『待ってろ。熱探知で調べる……………っと、これはまずいな』
アレックスが舌打ちした。
「どうした?」
『熱が遮断されてる。断熱シートが貼ってあるらしいな。中に人が居ることは確認できるが、人数までは分からない』
「そうか……………ん?」
天城は遠くからくる車の音に気付いた。
車は天城たちの目の前で静かに停車した。
『どうやら来たみたいだな』
アレックスが言ったとおり、車の中からは岬と卯田が出てきた。
「岬さん、馨ちゃん」
「天城さん! 大丈夫ですか!?」
卯田が天城に駆け寄る。
「俺は大丈夫だ。それよりアレックスから話は聞いてる?」
「話は聞いた。今からあの倉庫に侵入する、ということで間違いないな?」
「ええ、そうです」
『倫太郎。全員揃ったなら、さっさと突入しちまえよ』
待ちきれないかのようにアレックスが口を挟んだ。
「分かってるって……2人とも。この人は協力してくれる秋庭刑事だ」
秋庭は岬と卯田にすっと近寄った。
「秋庭だ。よろしく」
2人は秋庭と握手を交わしたが、戸惑っている様子だった。
「……そ、それじゃあみんな。作戦を説明する」
天城はその様子に気付いて慌てて話を始めた。
(戸惑ってるとはいえ、今は疑いあう暇は無いんだ。作戦に集中させないと)
「…! ああ、頼む」
天城の真意を察知した岬は進んで話の続きを促した。
「作戦はこうだ。まず1人が倉庫の外で物音を立てて敵をおびき寄せる。来たらとにかく派手に撃ちまくれ。敵の気を引きつけるんだ。その隙に残りが建物内に突入する。入ったら手当たり次第に倉庫内を制圧していく。ただし人数ではかなり劣るはずだから、以下に素早く動けるかが勝負だ。狙いはもちろん北野義章。いいな?」
全員が無言でうなずいた。
「よし、じゃあ役割だが………」
「……外への誘導は俺がやろう」
岬が真っ先に手を上げた。
「OK。じゃあ任せました。秋庭刑事、馨ちゃん、大丈夫?」
「は、はい……」
「俺も何とか……それに、やるしかないだろ」
2人は緊張しながらもはっきりと答えた。
「よし………じゃあ、みんな、武器は連射性の高いものにしてくれ。アサルトライフルかマシンガン当たりがいい。岬さんは手榴弾も」
天城の指示で、全員が武器が入ったバッグからそれぞれ武器を取り出した。
天城、卯田、秋庭はアサルトライフル、岬はマシンガンにありったけの手榴弾だ。
全員の装備を確認し、天城はうなずいた。
「準備はいいな。それじゃあ作戦を開始する!」