ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: GUARDIANS 感想・ご意見どんどんお願いします! ( No.4 )
- 日時: 2011/08/21 10:15
- 名前: ホッケ ◆.Nrl/mk7Fw (ID: XL8ucf75)
第1章≪結成—GUARDIANS—≫③
「おいおいおい! ようこそはいいけどよ、ホントにこれしかいねえのか?」
金髪の外人が斉藤に食って掛かる。
「ええ、この4人で全員です。極秘組織ですので、なるべく人数は抑える必要があるのですよ」
「ハッ! そーかいそーかい」
金髪の外人はそれ以上追求することなく、ソファに腰を下ろした。
「で……そこの兄ちゃんと姉ちゃんは一体誰だ?」
「ああ………紹介します。天城倫太郎捜査官と、卯田馨捜査官です」
天城と卯田は揃って頭を下げた。
「ふーん………あんたら、サツか?」
卯田は一目で正体を見抜かれたことに驚いていたが、天城は意に介することなく答えた。
「元、ね。斉藤さんのおかげで転職することになったけど。良く分かったな」
「まーな。色々あって、俺はサツなら大体見抜ける。俺はアレキサンダーってんだ。アレックスと呼んでくれ」
アレックスは立ち上がって手を差し出した。
「よろしくな、アレックス。ところで………」
「ん?」
天城は素早くアレックスのジャケットの内ポケットに手を突っ込んだ。
「何を—」
「ずいぶんいいもの、持ってるな?」
天城の手に握られていたのは、小型のデータ転送機だった。
「天城さん、それは?」
卯田が不思議そうに首をかしげた。
「こいつはデータ転送機。周りにある携帯などの情報端末からデータを失敬する機械だ。これで俺たちの個人情報を知ろうとしたんだろ? アレックス」
「……チッ。日本のサツにしてはやるじゃねえか。まあいい、そいつはやるよ」
アレックスは不敵に笑って再びソファに座った。
天城はデータ転送機をポケットに入れると、その隣のイスで今のやり取りをじっと見つめていた囚人服の男に目を向けた。
「………岬小次郎だ」
岬は天城と一瞬目を合わせてそう言うと、またすぐにうつむいてしまった。
「辛気臭えオッサンだよな。ずっとこんな感じだぜ?」
アレックスは苦笑いしながら言った。
それを無視し、天城はうつむいたまま口を開いた。
「……ところでお前、天城と言ったな…」
「ああ、よろしくな、岬さん」
天城は手を差し出したが、岬は応じることなく話を続けた。
「データ転送機なんて何故知ってる。日本でお目にかかれる代物じゃないぞ」
天城は笑いながら答えた。
「え? そう? 俺は見たことあ—」
「嘘をつけ。今は囚人なんぞに成り下がってるが、俺は元刑事だ。長いことやっていたが、そんなものは見たことがない。それをお前はその若さで一発で見抜いた」
「…………」
「それにだ。この建物に入ってからお前は隙を作っていない。金髪小僧から転送機を奪ったときの身のこなしも、日本の警官のそれじゃなかった。天城、お前—どこかの特殊部隊にいたんじゃないか?」
岬は顔を挙げ、天城の顔を見つめた。
「えっ? 天城さんが特殊部隊!? 本当なんですか?」
卯田が天城に詰め寄る。
「………うーん、参ったね…」
天城は困ったように頭をかいた。
「何だ、お前日本のサツじゃねえのか?」
アレックスも興味津々と言った様子で身を乗り出している。
ややあって、天城はポケットから一枚の紙切れを取り出した。
斉藤が天城の自転車に残していった紙切れだ。
「ま、結論から言うと、岬さん大正解。このマークを見てくれ」
天城は3人に三角形のマークを見せた。
『え? 何これ?』
卯田とアレックスは首をひねっていたが、岬の表情には明らかな驚愕が見て取れた。
「こ、これは…………デルタフォース!?」
「何ぃ!? デルタフォースだぁ!?」
アレックスも驚きのあまりイスから滑り落ちた。
「え? え? デルタフォースって?」
卯田1人が意味を分かってないので、いまだに頭を抱えている。
「姉ちゃん、あんたの相棒、とんでもない男だぜ……」
アレックスが呆然とつぶやいた。
「……アメリカ陸軍第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊、通称デルタフォース。このマークはデルタフォースの隊員がつけているバッジだ」
岬も興奮した様子で説明した。
「えっと………良く分かんないけど、すごいのそれ?」
「すごいなんてもんじゃねえ。軍人の中でもエリートに分類される集団だ。何でそんな奴が日本のサツなんかに………」
「………まあ、色々あってな」
天城はあいまいな笑顔を見せた。
「だがしかし………デルタフォースとなると……まさか! 斉藤! 俺たちは………!!」
岬が立ち上がって斉藤に問いかける。
斉藤はその事実を、いとも簡単に告げた。
「ええ、あなたがたの使命は、テロの脅威からこの日本を守ることです」