ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ──†闇色のPessimism†── ( No.1 )
- 日時: 2011/08/15 22:25
- 名前: いちご牛乳。 ◆2TKxyO84Mk (ID: t3n5DtaJ)
序章───
──4年前。
ワタシはふと、目が覚めた。
見えるものは白い天井に、薄い緑色のカーテン……
近くに見えるテーブルの上には、バスケットいっぱいに入ったフルーツが、窓から入ってくる太陽を浴び、輝いていた。
そう……
ここは、病院だ。
ワタシは、15歳の頃に“ある”病気になり、3年間ずっとここにいる。
毎日繰り返される、治療にリハビリ……。
ワタシの心は完全におれていた。
……いや、腐っているとでも言っておくことにする。
そんなことを考えていると、
病室のドアが、ガチャリと開いた。
「やあ、レイカ。気分はどう?」
いつもの“彼”が入ってくる。
つくり笑顔に見えそうなわざとらしい笑顔でワタシを見つめるのだ。
「まぁまぁよ。それより、なんの用なのかしら…?」
ワタシは“彼”に聞き返す。
「用って……僕はレイカのお見舞いにきたんだよ。幼なじみとして、当たり前じゃないか。」
“彼”はむすっとした顔をした。ワタシの一歳年下の可愛いいとこ…。
ワタシのお見舞いにきてくれるのは“彼”だけだった…。
両親は、邪魔なワタシを無理やり、養護施設に押し付けてきた。
病気のせいで、養護施設には居られなくなった。
それに、18歳のワタシはもうすぐ施設をでなければならなかった。
でも、
ワタシの病気はワタシの体を蝕む一方だった。
一層こんなことなら
────死んだほうがマシだ。
─────
ワタシは“彼”が帰った後に、病院の屋上にやってきた。
屋上から下を見つめる。
はは……高いな。
ワタシ、高いところは苦手だったっけ……?
ワタシは、スリッパを脱ぎ、
フェンスをよじ登り、フェンスの向こう側に立った。
……ブルッ。
え……?
震えたの……ワタシ。
今さら命乞いするんだ……。
死ぬのが怖い……
情けないなあ……。
……そうだ。
ワタシは死ぬんじゃないんだ……。
ワタシは飛んでいくんだ…。
闇色の翼を背中に生やして、
飛んでいくんだ……
飛んでいくんだ……!!!
─────愛のある場所へと。
ワタシは足場から、飛び立った。
───────.