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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【オリキャラ募集中!】 ( No.11 )
- 日時: 2011/12/09 17:45
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
二人は、校舎裏へと走って行った。芝生の上を走って、走って、走った先に、男子用の制服を着た奏がいた。奏に気づいた二人は、そっとうしろに近寄り、肩に手を置く。
「うわっ!」
「あははははは! 引っかかった〜」
二人は、涙が出そうなくらい笑い転げた。驚かされた奏は、ゆっくりと口を開いた。
「はぁ、なんでいっつも俺が驚かされなきゃなんないんだよ。」
「なんでかって? それはね、奏の驚く姿が面白いからじゃない。ね、朱里」
「そうそう! 思い出しただけでも涙が出る〜」
その三人の中では、幼稚園の頃の思い出がよみがえっていた。母親どうし同じ歳で、子どもも同じ歳なので、いっつも三人一緒だった。幼稚園の年少クラスから驚くほどずっと三人同じクラスで、いつも奏が驚かされ役をやっている。優美と朱里はそれを涙が出そうなほど笑い転げて、奏を困らせた。それは今でも同じだ。中一になった今日この頃、これがもう続かないんじゃないか、優美はそう思うようになった。
「もうやめろよ〜」
「やめない」
「やめろ」
「やめない」
それから、何度も何度も「やめろ」「やめない」が繰り返された。それを、桜が見守る。そのうち優美が、笑いながら奏の肩を強く押した。後ろに階段があると知らずに。
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