PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【オリキャラ募集中!】 ( No.112 )
- 日時: 2011/11/09 17:25
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
第十章 死神
一言で言うと、暗い。そんな廊下を、甲高い音を響かせながら歩いていた。ここは夏でも寒く、冬なんかは氷点下にいるような気分になる。
「樹奈っ……」
誰かが後ろから呼び止めた。その声に聞き覚えのある樹奈は振り返った。
「ああ。何?」
「その……死神が呼んでるんだよ。今すぐ来いってさ。」
「そう。」
樹奈は素っ気なく返事をし、もと来た方向へ戻っていった。エレベーターに乗り、一番下にあったボタンを押した。壁にもたれ、髪を結んでいた黒いゴムを人さし指にひっかけ、そのまま引っ張った。あまりとかしていなかったようで、絡まりながらゴムは手の中におさまった。チィンッ、と音がして、樹奈はハッとしてエレベーターのドアが少し開いたところですり抜けるようにして出た。樹奈から見て右、左、前に通路があり、樹奈はまっすぐ歩いていった。やがてエレベーターは見えなくなり、代わりに見えてきたのは漆黒の鉄製のドアだった。二回ノックし、中にいる死神の返事を待つ。
「樹奈か?」
「はい。」
「入れ。」
ドアノブを回し、重そうなドアを開けた。ろうそくの光に照らされた本やテーブルは、不気味に輝いていた。
「何の用でしょう。」
「そう焦るな。まあ座ったらどうだ?」
樹奈は言われたとおりに黒い革製のソファーに座る。死神らしき男は、革製の回転チェアに座って手を組んだ。
「用というのはだね。君を……神的少女隊から外そうと思っていてね。どうかと思っているんだが。いや、もちろん強要はしないよ。」
樹奈に冷たい目を向けられ、死神はあわてて付け加えた。この二人はどんな関係にあるのか謎だ。死神は話を続ける。
PR