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Re: 神的少女は殺戮がお好き【第十章更新!】 ( No.115 )
日時: 2011/11/11 19:44
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)

「君は、どうやらあのパートナーの子と仲良くなりすぎたようだ。我々にとって危険な存在になりつつあるのだよ。もしも……これはもしもの話だ、例えだよ? 君があの子は仲良くなり我々に刃向うことがあれば、我々は容赦なく、たとえ女神の娘だとしても、殺すかも知れん。いや、これは例えだ、そう冷たい目で見るな。」

また冷たい目が向けられ、死神は何度も例えだということを繰り返した。ろうそくの灯が揺れ、影が揺らめいた。今度は樹奈が口を開く。

「もしも……私が流星と仲良くなりあなたたちに刃向うことがあっても、私を殺すことはできない。女神の娘を殺すなんて、罰当たりだわ。母は私を殺してほしいからここに送り込んだんじゃない。もし私を殺すつもりなら、今ここで殺してやるわ。」
「いや待て、そう早まるな。君は神的少女を続けたいのだね?」
「もちろん。それ以外に何か選択肢がある?」
「いや……」

死神は口を噤んでしまった。樹奈は勝ち誇ったように死神に目を向け、こう告げた。

「私を殺そうと言うのなら、ここで殺してみなさい。ただ、女神の罰を受けるのは目に見えてるけどね。私は罰を受けた者を何百人、何千人と見てきた。それより酷いやり方はないだろうと思いながら。そのそれより酷いやり方を受けるのは、私を殺した者よ。“Dark company”の誰かが殺したとしても、あなたが罰を受ける。それどころか、根こそぎ死ぬでしょうね。そうしたら終わりよ? 全て終わりよ? 殺されたくなくば、私に逆らわないことね。他に用は?」
「……引き続き正神的少女殺しを進めてくれ。」

死神は頭を抱えてそう言った。樹奈は部屋を出て行こうとした。ドアノブに手をかけたとき、一言付け加えた。それも、悪魔のように恐ろしく冷たい笑みを浮かべながら。

「それと……あいつは殺さないでね。私の下僕なんだから。殺したら……最悪の結末が待ってるわ。」