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Re: 神的少女は殺戮がお好き【予告……?】 ( No.134 )
日時: 2011/11/23 17:53
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)

「私は娘を幸せにしたいだけなのに。それを見守りたいだけなのに。どうして私の想いはあの人に届かない?」
「出発の準備が整いました」
「ああ、今すぐ行く」

記憶の女神は、長年離れ離れになった愛する娘の元へと旅立っていった——


 天界と人間界を繋ぐ場所に女神は降り立った。いつの間にかブーツカットジーンズと紫のカットソーに着替え、隣にはスーツ姿の臣下がいる。女神は娘を探そうと、すぐさまタクシーを呼びとめた。臣下はもの珍しそうな顔をしたが、女神は腕を引っ張り中に無理やり押し込んだ。
「白浜市桐ヶ谷6ー2に行ってください。」
運転手はハンドルを右に回し、道路を走っている乗用車やバス、トラックの中に紛れて行った。
 数十分走り、十階はあるだろうビルの前に到着した。女神は抑えめの金色バッグの財布の中から千円だし、「お釣りはいりません」といってタクシーを降りた。目の前にそびえ立つ、ガラス張りのビルを見上げる。