ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【休暇中&神殺通信更新】 ( No.153 )
- 日時: 2011/12/10 09:18
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
神殺通信 ver2
今回もやって参りました、神殺通信です。
前回はネタバレもなく、私が園香sに殺されそうになりました。が、今回はなんと! 故・主人公の相部優美sが出てくださいます!
そして今回は、前回の台本小説的な文とは違い、私のいつもの書き方でやりたいと思います。
作者:奈美と、主人公:朱里・優美のお喋りを、ごゆるりとご堪能ください。
〜今回のキャスト〜
奈美:神殺の作者
朱里:主人公
優美:故・主人公
「なんで私が朱里に殺されなくちゃならないの?」
蛍光灯で照らされ、黒の椅子に座っている優美はそう嘆いた。それを苦笑いで、朱色の椅子に座る少女は受けこたえる。
「しょうがないじゃない、優美。私たちの運命は、全て奈美さんの手に握られているんだから」
「それでもねぇ朱里、納得いかないわ。主人公が変わるなんて、小説内であっていいことなの?」
「私に聞かないでよ。小説の事なんてこれっぽッちも分かんない」
本といえばマンガにしか興味のない朱里は、緑色の椅子を見やった。正方形の白いテーブルには、白いティーカップに注がれた甘い匂いのする紅茶が三つおいてある。さらに、優美の前にはブラックチョコケーキ、朱里の前にはストロベリータルトが用意されていた。そして、緑色の椅子の前にはレアチーズケーキがおいてあった。それぞれ好きなケーキなので、レアチーズケーキは緑色の椅子に座るであろう人物の好物なのだろう。ついさっき来たばかりの二人は、食べていいものなのかもわからず、紅茶やケーキには手付かずだった。
長い髪を少し揺らし、朱里の方を向いた。
それに気付き、目をパチクリさせる。
「いったい誰が来るのかしらね?」
「奈美さんじゃない? これは神殺通信よ。多分」
「そしたら、この会話は公開されるってこと?」
「そういうことじゃない?」
「それじゃあ今までの仕返し出来る……」
そういいながら、かつての残忍な笑みを浮かべた。朱里はその笑みの意味を悟り、背筋が震えた。とそこに、誰かが震えた声を出しながら入ってきた。
「こ、こんにちは〜」
二人は、声のした方に顔を向けた。
「奈美さんッ、いつもお世話になってます」
「どうも、ご丁寧に……」
「こんにちは、奈美さん」
その 冷え冷えとした声に、奈美は身震いした。すっかりかじかんだ首を回し、優美を恐ろしいものを見るような目で見る。
「ああ、どうも。ゆ、ゆ、優美さん……」
「よくもやってくれたわね!? 仕返しよッ!! 殺してやるんだからッ!!」
「優美ッ! 奈美さんを殺したら、こういう所で出られなくなるよ!? もしかしたら生き返るかもしれないしッ!」
優美の殺意は、一気に引っ込んだ。そして、好奇なる目が奈美を襲う。
「それじゃあ生き返らせてもらえない?」
「えッそれは……」
朱里が、こっそりと耳打ちした。
「園香sの時と同じように、要求を飲まないと殺されますよッ!」
「げッ! 分かりましたッ! 出来ないかもしれませんけど、頑張ります!」
一瞬、優美の目が戻ったかと思うと、すぐ殺意の表情に変わった。奈美はハッとして口をふさぐ。窓から差し込む光は、雲がかかり、蛍光灯の光だけが頼りになる。
「『出来ないかもしれません』……?」
「あッいや、必ずやりますのでッ!」
「そしたら、主人公二人になりませんか?」
「それでいいじゃない」
「でもめんど——」
「殺すわよ?」
「ひぃッ! すみません……」
奈美は優美の圧力に押しつぶされて、縮こまってしまった。朱里は見かねて、
「それじゃあ、今日はこの辺で失礼します。また、本編、または神殺通信でお会いしましょう」
「私は本編に出るわ」
「うん、そうだねッ! 楽しみだなぁ〜では、さようなら〜!」
「また勝手に……ッでももう慣れてきちゃった……な……」
奈美はがっくりとうなだれた。