ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【休暇中&神殺通信更新】 ( No.155 )
- 日時: 2011/12/14 17:53
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
第十二章 非日常と日常
「やっと日常が戻ってきたよ〜」
疲れた声で、朱里が一言。隣にいる久しぶりの登場の美百合は、いつもと変わらないポニーテールを揺らしている。朱里のもう傍らにいるのが、渚。そして渚の隣が、髪色と髪型以外ほとんどそっくりな梓。渚は赤いリボンで茶髪をツインテールに結び、梓はつやのある黒髪をおろしていた。こちらの二人も、この物語が始まり、登場した頃から何ら変わりない。そして、美百合の隣にいるのが闇。闇は小学生なので私服を着ている。
「私たちにとっては“非日常”よねぇ〜」
美百合が笑って言う。グリーンを基調とした制服を着た四人と私服を着た一人は、久しぶりの平穏になじめない所もあった。いつかの桜並木はもう紅葉のきれいな並木に変わり、ようやく優美の事も、落ち付いて来た。それでも、親友を殺してしまったという心に刺さった刃物は、一向に消えそうにはない。
いっそ、生き返ってくれたらいいのに。そうしたら、また同じ月日を過ごして、ずっと一緒にいられるでしょう? 心の中で、そう優美に問いかけた。きっと届かないだろうけど、きっと私を恨んでるだろうけど、そう問いかけずにはいられない。
「もし優美が生き返ったら、テストの順位はいつも一位で、成績も申し分なしってトコだよね。それにさ、頭脳明晰な優美君がいてくれるなら、我々はどんなに助かるか」
美百合がおじさんみたいな声を出すので、朱里はクスッと笑った。
「優美がいてくれたら、私は他に何もいらないよッ! それより、生き返らせる方法なんてあるのかな?」
「あるよぅッ!」
「えッあるの!?」
渚を凝視して、思わず叫んだ。
「うん、過去から連れてくればいいの」
「じゃ、連れてきて!」
「駄目よ二人とも。そんなことしたら時空が歪むわ」
梓が冷たくあしらう。それでも、朱里の興奮は止まらなかった。
優美が戻ってくる! 私の元に! 優美と一緒にいられる!
「どうして時空が歪むの?」