ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 神的少女は殺戮がお好き【第十四章更新!!】 ( No.170 )
日時: 2012/01/16 19:49
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)

「大丈夫よ。先にその優美——を生き返らせても、殺戮はすぐには起きない。多分、死神は夏至に殺戮を開始すると思うわ。まだ死神能力者は十分に集まっていないはず。あなたたちはまだ捕まっていないし“dark company”の支配下にいる人は——?」
 華香は、少し固まった動きで樹奈にそれとなく聞いた。樹奈は顔色一つ変えず、首を横に振る。口を開けていないので、いないのか、はたまた分からないのか定かではない。
「そう。夏至までには、何とか持ちこたえなさい。死神は、少なからず能力の高い能力者を狙ってくるはず。もし優美——を生き返らせたら、高い殺傷能力を持つその子は狙われると思うわ。そして、周りにいるあなたたちも。隠密に動かないと駄目よ」
「ええっと……もう、引き受けたって考えていいの? それ前提で話されている気がするんだけど」

Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.171 )
日時: 2012/01/18 17:56
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)

 渚が心配そうに聞く。と、朱里が叫んだ。
「引き受けたに決まってんじゃん! あの優美が、あの天才な優美が、あのグロ的な優美が生き返るんだよ!?」
「それは嬉しいわ。所で気になっていたのだけれど、神的少年はあなただけなの?」
「えっ俺のこと? あ、そう言えば……俺だけじゃん」
 奏はあたりを見回し、自分を指差した。周りは、グリーンチェックのスカートをはいた少女たちばかりだ。
「もしもいいなら——他の男子に協力を仰いだ方がいいんじゃないかしら。もちろん、神的能力者のことをばらさない人がいいわ。きっと、今回は力仕事だってあるから、男手は必要よ」
「それなら、淳君がいるじゃない! ほら、神殺通信で出た……」
「ああ、私を馬鹿にした淳君! もう全部知ってるしね」
「ちょうどいい人がいたのね? 一人より二人、協力してくれるといいのだけれど」
「明日にでも話しておくけど……具体的にはどういうことするんだ?」
「具体的には、ドアを蹴破ったり、邪魔ものを殴ったり……」
「結構ハイなのね。さすがにそれは、レディーには出来ないわ。ねえ、渚」
「出来るよ〜」
「渚。御園家の恥にならないような行動をして頂戴ね? 後々、面倒だから」
「ね、渚。御園家ってすごいのなの?」
「ああ、朱里。それは後のお話で」
「あら、すっかり夕暮れ時ね。それじゃあ今日は、お開きよ。詳しい説明はまた今度でいいわよね?」
「「はーい」」

第十四章 結