ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【一章完結!】 ( No.19 )
- 日時: 2011/11/23 19:55
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
第二章 倒れた少女は悪に目覚める
——アノコガ タオレテルネ
——キット メザメルヨ
——アノコノ ウツワハオオキイカラネ
——キット ダイジョウブダヨ
「……優美?」
「あ……朱里?」
「やっと気付いた。もう、突然倒れるんだから。びっくりするじゃない」
「ごめんね。ほんとごめん」
優美は、保健室のベッドの上に寝ていた。ピンクのカーテンで仕切られた部屋には、保健の先生もいた。先生は眼鏡をかけて、何かメモをしていた。
「熱はないみたいね。どうして倒れたの?」
「えっと……」
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【一章完結!】 ( No.20 )
- 日時: 2011/09/06 18:27
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: aiwVW5fp)
優美は、起きたこと一部始終を話した。
「幻覚じゃないかしら。今日は試験の日でしょう? きっと勉強していて疲れていたのよ。」
「そんなハズない! だって、この目で見たの。朱里だって見たの!」
「でもねぇ、奏って子はこの学校にはいないみたいなのよ。あなたたちはクラスメートだって言ってるけれど……みんなそんな人はいないって言ってるみたいなの。」
「優美……奏がいなかったの。階段下に行ってみたんだけど、何もなくて——」
朱里は泣きながら言った。優美の手の上に自分の手を重ねて、泣きじゃくった。次々に出てくる涙をこらえることができなかった。一方優美といえば、カラッとした瞳に、無表情な顔。
「奏がいない……? そっか、奏はいないんだ……」
「そうなの。きっと疲れてたのよ、私は職員室に行くから、ちょっと休んでなさい。落ち着いたら、教室へ戻るといいわ」
「ありがとうございました、先生。」
そういうと、ニッコリと笑った。朱里はその姿を、涙でぬれた目で、ただ呆然と見ることしかできなかった。
「ねえ朱里。私、気づいちゃった。私が殺した人は、きっとこの世界からいなくなるのよ。奏だって、私が殺したから消えちゃったの。」
「な…何を言ってるの?」
「何って? 日本語だけど?」
冷たい態度を取った優美は、朱里なんかそっちのけで、スタスタと歩いていってしまった。
——ヤットジカクシタミタイダネ
——モノワカリガイイコダヨ
——デモ ソノシンユウヲテキニマワサナイホウガイイヨネ
——ソノシンユウハ モウヒトリノカミナンダヨ
——カワイソウダケド フシギナウンメイダヨネ
第二章 結