ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.34 )
日時: 2011/10/10 18:01
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)

第六章 少女は少女によって殺される

「優美っ! もうやめてっ!」

優美が暗闇の中で、女性を殺した時、朱里はそう叫んだ。黒く澄んだその目には、涙が浮かんでいる。女性は、優美がナイフを抜くと崩れ落ち、血の池に横たわった。優美の服は、血まみれになって汚れている。

「朱里……どうして…? やっと静寂を手に入れられるチャンスが来るのよ? 朱里だって、静かな環境がほしいでしょう?」
「違うっ、優美のやってることは間違ってる! 人を殺して手に入れられるものなの!?」
「そうだよ、手に入れられるものだよ。幸いなことに、末梢出来るから便利なのよね」
「えっ……奏を殺しちゃった時、優美は泣いていたでしょ、そうだよね? 泣いてたよね!?」
「うん、泣いてたよ。でもね、気付いたんだもの。しょうがないじゃない。」
「もうやめられないの……? いまからでも戻れないの……?」

朱里の期待を裏切り、笑顔で、笑いながら言った。

「やめられないし、もう戻れないよ。誰にも止められない。」
「そんな……どうして、どうしてよ!」
「そんなこと言われても困るんだよね。もう戻れない。私が作る死のメドレーは止められないの。」

Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.35 )
日時: 2011/09/19 11:43
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)

朱里は、優美の方へ走りだした。優美の手を握ると、ナイフを手から取ろうとした。でも、閉ざされた手は一向に開く気配がない。すると手を放して、ポケットに隠れていた包丁を優美に刺した。優美は、信じられないというような顔をして、元々血で汚れていた服を、また血で汚すこととなった。血が染み出し、血の池を作る。朱里はもっと深く刺した。優美はぐったりとし、ナイフを抜いた。返り血が飛び、朱里の服も汚れる。頬に付いた血は、涙のように流れ落ちた。

第六章 結