PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.47 )
- 日時: 2011/09/28 16:58
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
第一章 神的少女は殺人を否定できない
「朱里ちゃん……。」
心配そうな目をして、優奈が言う。朱里は、かつての優美のように、冷酷な目つきをしていた。その様子に、優奈以外誰一人として、気付く者はいない。
「ふふっ、あはははははは、馬鹿みたい。なんで最初からやらなかったんだろう。なんで気付かなかったんだろう。」
「何を?」
「殺戮を。」
「!!!」
優奈の頭の中は、真っ白になった。窓から見える真っ青な空に浮かぶ、真っ白な雲のように。ただ———朱里の頭の中は、真っ赤な血と、真っ黒な血の池しか浮かばなかった。
「そんなことしちゃダメだよ! 人は殺しちゃいけないんだよ!」
「どうして? どうして人を殺してはいけないの?」
「それはっ……」
何も言えなかった、何も浮かんでこなかった。さんざん考えたあげく、こう言いだした。
PR